●吉符入〜鉾建・山建
7月1日、山鉾町(やまぼこまち)の関係者による祇園祭の打ち合わせ「吉符入」(きっぷいり)が行われ、祇園祭は幕を開けます。
翌2日には17日の山鉾巡行の順番を決める「くじ取り式」が京都市役所で挙行。
10日には「お迎提灯」(おむかえちょうちん)から「神輿洗式」(みこしあらいしき)を経て、八坂神社の神輿(みこし)が四条大橋上で清められます(28日にも同様の「神輿洗式」を挙行)。
また、同じ10日から山鉾町で「鉾建・山建」(ほこたて・やまたて)が始まり、巡行する山鉾が収蔵庫から出されて組み立てられます。
12日頃には完成した山鉾の「曳初め」(ひきぞめ)が行われ、13日には「長刀鉾稚児社参」(なぎなたぼこちごしゃさん)として長刀鉾に乗る稚児が八坂神社に詣でます。
ちなみに、真木(しんぎ、建造物の中心を貫く檜の支柱)の先に鉾頭があり、囃子方が乗って演奏するものが。真木の代わりに松の木が据えられ、人は乗れないものがです。
鉾に似ていても鉾頭ではなく松の木がそびえる北観音山(きたかんのんやま)や岩戸山(いわとやま)は山、傘が鉾類にあたるとされる綾傘鉾(あやかさほこ)は鉾です。
 
 
お迎提灯   お迎提灯
お迎提灯   お迎提灯
 

  ●宵山
コンコンチキチン、コンチキチン…。
14日を宵々々山(よいよいよいやま)、15日を宵々山(よいよいやま)、16日を宵山(よいやま)といい、山鉾町では夜になると山鉾の提灯が点灯され、祇園囃子(ぎおんばやし)が賑やかに奏でられます。
山鉾町内の家では室内の屏風などが見学できたり、山鉾ごとに厄除けちまきや学問成就などのお守り(護符)が手に入れられたりします(祇園祭のちまきは笹の葉をイ草で巻き、束にして作られるもので、通常は食べられません)。
宵山期間中は毎夜、全国から数十万人もの観光客が押し寄せ、祇園祭でも最も賑わう時期になります。
 京都新聞社 提供
宵山
宵山

  ●山鉾巡行(国の重要無形民俗文化財)
17日は祇園祭のクライマックスとなる「山鉾巡行」。
長刀鉾を先頭に32基(鉾9基・山23基、うち29基は国の重要有形民俗文化財)の山鉾が、祇園囃子の音色とともに四条烏丸から四条通、河原町通を経て御池通へという京のメインストリートを絢爛豪華に巡行します。
道中では「注連縄切り」(しめなわきり、四条麩屋町、長刀鉾に乗った稚児が神域の境界を示す注連縄を太刀で切り落とす儀式)や、「くじ改め」(四条堺町、京都市長が山鉾の巡行順序を確認する儀式)、「辻廻し」(つじまわし、四条河原町等、山鉾が大通りの交差点で90度方向転換する見せ場)などが随所に盛り込まれ、観光客から大きな拍手と歓声が沸き上がります。
 京都新聞社 提供
山鉾巡行
山鉾巡行

  ●神幸祭・神輿渡御・還幸祭
山鉾巡行が済んだ17日の夕方、ご祭神が八坂神社から四条御旅所(しじょうおたびしょ、祗園祭時に本宮を出た分霊=神輿を迎えて仮に奉安する場所)まで旅されるための儀式が行われます。
神幸祭」(しんこうさい)は八坂神社本殿で催されるご祭神出発前の祭典。
神輿渡御」(みこしとぎょ)は3基の神輿が八坂神社を出発し、四条御旅所にとどまるまでの儀式。
24日には「還幸祭」(かんこうさい)として、3基の神輿が四条御旅所から八坂神社へ戻ります。
 
 
神幸祭 石段下出発式 三基の神輿(中御座・東御座・西御座)   還幸祭 西御座(錦神輿会)
神幸祭 石段下出発式
三基の神輿(中御座・東御座・西御座)
  還幸祭 西御座(錦神輿会)
 

  ●花傘巡行
以前、山鉾巡行は前祭(17日)と後祭(24日)の2回に分けて行われていました。
しかし、昭和41年(1966年)に後祭の巡行が17日に合併されたことから、山鉾の古い形態を再現する目的で、24日には「花傘巡行」が行われるようになりました。
子供神輿を先頭に10余基に及ぶ花傘や武者の行列、さらに鷺踊(さぎおどり)や獅子舞、芸妓さん・舞妓さんを乗せた曳き車など、総勢1,000人近くもの行列が、八坂神社から四条通、河原町通、御池通、寺町通を経て再び四条通から八坂神社へと巡行します。
 
 
花傘巡行   花傘巡行
花傘巡行   花傘巡行
 


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