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  吐く息も白い師走。境内が終い弘法(しまいこうぼう、12月21日に開かれる弘法大師空海ゆかりの縁日)で賑わう東寺は、真言宗の総本山であり、国を守る寺の意を込めて「教王護国寺」(きょうおうごこくじ)とも呼ばれます。
桓武天皇が平安京に遷都した際、京の表玄関には後に芥川龍之介の小説「羅生門」(らしょうもん)のモデルとなった羅城門(らじょうもん、都の正門)が建てられました。そして、この門の東西両側には国家の安全を願って、二つの官寺(国立の寺院)も建立。東側に建てられたのが東寺で、延暦15年(796年)以来、1200年以上にわたって人々から親しまれてきました。かつての面影を今に残す平安京唯一の遺構であることから、平成6年(1994年)には世界文化遺産に登録されました。西側に建てられた西寺(さいじ)は後に焼失し、今日ではその跡だけが残ります。
弘仁14年(823年)、弘法大師空海は嵯峨天皇より東寺を賜り、国内初の真言密教の根本道場として発展させました。後には「お大師様の寺」として、皇族から庶民までの幅広い層から信仰されるようになりました。
主要な建物は文明18年(1486年)の火災でそのほとんどを失いますが、豊臣家や徳川家などの援助を受けて、金堂(こんどう)や五重塔などが再建されました。現在創建当時の建物は残っていませんが、南大門から金堂・講堂・食堂(じきどう)へかけて、南から北へと一直線に立ち並ぶ伽藍配置や、それぞれの建物の規模は平安時代のままです。
境内に保管されている無数の仏像や絵画などには、国宝や重要文化財に指定されたものも数多くあり、密教美術の宝庫といえます。とりわけ、建物では金堂や五重塔、蓮花門(れんげもん)、御影堂(みえどう)、観智院(かんちいん)客殿などの5件が国宝に指定されています。
年の瀬も押し迫った頃。人々であふれ返る東寺の風景は、今も京の冬の歳時記として親しまれています。
   
東寺
東寺
五重塔
五重塔
瓢箪池(ひょうたんいけ)   西寺跡   羅城門遺跡
瓢箪池(ひょうたんいけ)   西寺跡   羅城門遺跡

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