「御手洗」と書き、「みたらし」と読むお社は、井戸の上に建つことから別名「井上社」(いのうえしゃ)とも。病気やけが、さまざまな災難除けの神様として信仰を集めています。
お社の前には「みたらしの池」があり、そこから南側へは「御手洗川」(みたらしがわ)が流れています。このみたらしの池を舞台に、土用の丑の日には「みたらし祭」(足つけ神事)が催行。池に足をつけると毎日を無病息災で過ごせると伝えられ、祭りの期間中には数万人の参拝者が訪れます。
また、立秋の前夜には「夏越神事」が行われます。みたらしの池に斎竹(いみだけ)を、さらに中央には斎矢(いみや)を立てて清め、奉納された厄除けの人形が流されると、裸になった氏子男子が池に一斉に飛び込み、矢を奪い合います。これは、下鴨神社のご祭神・玉依媛命(たまよりひめのみこと)が川遊びをしていると1本の矢が流れ着き、それを持ち帰った後に懐妊して賀茂別雷神(かもわけいかづちのかみ)を生んだという故事にちなみ、「矢取神事」とも呼ばれます。一方で、池に湧く水の泡を人の形にかたどったのが「みたらし団子」で、みたらしの池はその発祥地といわれています。 |