「大炊殿」(おおいどの)は、主にご飯やお餅などの穀物類からなる神饌(しんせん、神様のお供え物)を調理していた建物。大炊所(おおいどころ)とも呼ばれ、神様の台所といえる場所です。入り口の土間には竈(かまど)があり、中の間が台所となっていて、葵祭に供された特別な神饌をはじめ、古代より伝わるお供え物のレプリカや調理器具などが展示されています。また、「葵の庭」と名付けられた庭にはフタバアオイの他、カリンやヌルデ・クチナシ・カツラ・ヤマウコギなどの薬草が栽培されていて、とりわけ古木が有名となったカリンにちなみ、「カリンの庭」とも呼ばれます。お供え物の調理用に水を汲む井戸「御井」(みい)とともに、重要文化財に指定。西側の別棟・御車舎(おくるまや)には葵祭などで使用される儀装馬車(ぎそうばしゃ)など、古くから伝わる資料も展示されています。 |