二の丸御殿の廊下は、歩くと鴬(うぐいす)の鳴くような音が聞こえるために「鴬張りの廊下(うぐいすばりのろうか)」と呼ばれます。
その上を歩く者がいると音を発し、夜間など侵入者があればすぐに分かる、一種の警報装置といえるものです。
音を発する仕掛けには、「目かすがい」と名付けられた独特の金具が施されています。
廊下の床板とそれを支える床下の根太の間に取り付けられた鉄製の鎹(かすがい、長さ約12p)がそれで、廊下の下に無数に取り付けられています。
目かすがいには2個の釘穴があり、そこには鉄釘が打たれています。
この状態で人が床板を踏むと、目かすがいが上下し、釘と擦れ合って鴬が鳴くような音がするのです。
ちなみに、徳川家の公務に用いられた知恩院の大方丈にも、その廊下には二の丸御殿と同様に「鴬張りの廊下」が設けられています。
   
鴬張りの廊下
鴬張りの廊下 ※二の丸御殿の縁側は観覧できません。
鴬張りの廊下
サンプル音(MP3)
鴬張りの構造 鴬張りの構造
 
  プライバシーポリシー サイトポリシー Copyright © 1997- ROHM Co., Ltd.