楼門をくぐって東側に、宝物殿(ほうもつでん)があります。
創建以来、千年以上にわたって皇室から深い尊敬を受け、公家や武家さらに商人たちからも信仰の篤かった北野天満宮には、そうした時の実力者たちが奉納した数多くの宝物が納められています。
なかでも、国宝の「北野天神縁起絵巻」(きたのてんじんえんぎえまき)は菅原道真公の一生を描き、躍動感あふれる色彩や筆致で数ある絵巻物のなかでも特に優れた作品として高く評価されています。
日本史に登場する「日本書紀」や北野社史などの古文書類、「鬼切」(おにきり)の太刀、豊臣秀頼が寄進した堀川国広(安土桃山時代の刀工)作の名刀、加賀藩主・前田家から奉納された刀剣などが現存するほか、京都で活躍した画家や工芸作家の手になる絵馬・蒔絵硯箱(まきえすずりばこ)・屏風・茶道具類なども多数収蔵されていて、それらの多くが重要文化財に指定されています。 |