歴史ある社寺で紅葉狩りができると、多くの観光客が訪れる京都の秋。数ある名所の中でも1、2を争う人気のスポットが東福寺です。
東福寺は、平安時代に藤原忠平が創建した氏寺をもとに、鎌倉時代に摂政・九條道家が高さ15mの釈迦仏像を安置する大寺院として造営。奈良の東大寺と興福寺から一字ずつ取って「東福寺」と名づけられ、京都で最大の大伽藍が誕生することとなりました。そして、建武元年(1334)ごろになると京都五山の第四位に列されます。京都五山のひとつであることを表すように、現在、本堂の天井には近代日本画の大家・堂本印象による蒼龍図が描かれています。
造営後、度重なる火災に見舞われたものの、「新大仏寺」と一目を置かれていたため足利義持、豊臣秀吉、徳川家康など、時の支配者がその都度建物を再建。そのため、今もなお中世の禅宗様式の伽藍を目にすることができます。
明治の廃仏稀釈でその規模は縮小されたとはいえ、大伽藍に25もの塔頭を抱える東福寺。広大な境内に広がる色鮮やかな紅葉は、一度は目にしておきたい風景のひとつです。 |