通天モミジ
紅葉が織り成す真紅の海
  真っ赤な紅葉の中に浮かぶ通天橋(つうてんきょう)。東福寺の紅葉として思い出されるのは、この橋の秋景色ではないでしょうか。方丈から開山堂の間には川が流れる渓谷が広がり、この洗玉澗(せんぎょくかん)を中心に、境内には約2000本ものカエデが植えられています。その中でも、通天モミジは、開山・円爾(えんに)が宋(現在の中国)より持ち帰ったものといわれ、葉先が3つに分かれ、黄金色に染まるという特長があります。
近年では、夏場の青々としたモミジも人気がありますが、やはり紅葉のそれは別格。例年、色づき始める11月中旬から12月上旬までは、多くの見物人でにぎわいます。
この秋の紅葉に対し、東福寺では桜をほぼ目にすることはありません。その理由は東福寺の僧であり水墨画の開祖とも呼ばれる画聖・明兆(みょうちょう)の一言にあります。その昔、三門楼上の極彩画など、多々ある明兆の作品のひとつである「大涅槃図」が足利義持の目にとまりました。明兆は絵のほうびとして、遊興の場となり、僧侶たちの修業の妨げとなる恐れのある桜の伐採を願ったのです。
桜が姿を消した現在、境内一面を真っ赤に彩り、訪れる人を魅了する東福寺の紅葉。通天橋や方丈では視界いっぱいに広がる紅葉、洗玉澗では地面を彩る落ち葉など、さまざまな秋の風景が人々を待ち構えています。
洗玉澗から見た通天橋
洗玉澗から見た通天橋
通天橋から見える紅葉
通天橋から見える紅葉
通天橋から見下ろした洗玉澗   開山堂へ続く回廊での紅葉風景  
通天橋から見下ろした洗玉澗   開山堂へ続く回廊での紅葉風景  
 
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