「京の台所」としてその名を馳せる錦市場。近隣住民はもちろん、料亭や割烹などの料理人も食材を仕入れに足を運びます。また、年末が迫ってくると、年越しの準備をする買い物客が集まり、一年の中で最もにぎわいを見せます。
錦市場は、西は高倉通から東の寺町通までの錦小路通に位置し、全長約390mのアーケード街には、約130もの店が軒を連ねます。鮮魚、野菜、精肉、豆腐類などの食材から佃煮や惣菜、漬物などの加工品、また菓子やお茶などまでと、実にさまざまな商品が市場に並びます。
現在、錦市場の役割は、京都人の食生活を支えるだけではなくなってきています。食べ歩きできるようなスイーツやグルメが販売され、カメラ片手に錦散策を楽しむ観光客の姿もちらほら。また、店先で売られる新鮮な食材をすぐにいただけるイートインも設けられ、観光スポットという面も見せるようになってきました。
地下に水脈が流れるため、底冷えするといわれる京都の冬。しかし、錦市場を歩けば、その寒さを凌ぐ人々の熱気を感じることができることでしょう。 |