お役立ち情報が満載 モータドライバ設計のための技術情報サイト

TECH INFO

コラム

Motor Notes

ブラシレスモータの位置センサの役割と
その配置で注意すべきこと

さて、今回は「ブラシレスモータのセンサ付とセンサレス駆動の特徴と使い分け」で話題にした中の1つの「位置センサ付き駆動」に関する注意すべき点として、「位置センサの役割とその配置」についてお話したいと思います。

ここで使われる位置センサは、一般的には磁気センサ(ホール素子、ホールIC)です。モータの構造とセンサの配置を示す模式図を示します。このモータは3相ブラシレスモータ(アウターロータタイプ)で、基本構造は磁石が備わったロータと電機子(巻線、鉄心)から成るステータで構成されています。

アウターロータ形ブラシレスモータの基本構成例

位置センサ(ホール素子、ホールIC)は、モータの回転位置を精度よく検出する役割を担っています。具体的には図に示されたような場所に設置され、回転するロータの磁束Φgを精度よく検出する必要があります。しかし、モータはロータの磁束が鎖交する電機子に電流が流れることでトルクが発生します。すると電機子に流れた電流による磁束Φaが発生します。

位置センサは、回転するロータの磁束Φgを精度よく検出するには、なるべくこの磁束Φaを拾わないようにしなければなりません。また、位置センサ出力信号に含まれるノイズ除去のためのヒステリシス(ホールICやコントローラの特性)、そして、何と言っても位置センサの配置角度精度(右図)が非常に重要になります。

このように、如何にして位置センサの検出誤差を最小限に抑えるかが、ブラシレスモータ位置センサの配置設計で注意すべき重要なポイントになります。

ブラシレスモータの位置センサ配置角度精度関する模式図

For Beginners

ホール素子/ホールIC:
ホール効果を利用した磁気センサで、磁束密度に応じた電圧を出力する。ホール効果とは、固体に電流を流し固体表面に対し垂直に磁界を与えた場合、電流方向および磁界方向それぞれに垂直方向(直交)の電圧が発生する現象。ホールIC(ホールセンサとも呼ぶ)は、オペアンプやデジタイザなどを組み合わせたもの。
アウターロータタイプ:
内側のコイルが固定で、外側の磁石のヨークが回転する構造。回転軸の慣性モーメントが大きい、磁石の小型化の必要性が少ない、コイルを巻きやすいなどの特徴をもつ。対する構造として、外側のヨークを固定で内側の永久磁石が回転するインナーロータタイプがある。
ヒステリシス:
ホールICなどには、磁束密度の判定に使うしきい値に動作磁束密度(オン)と復帰磁束密度(オフ)があり、このしきい値の差がヒステリシス。しきい値が1点だとしきい値付近でのわずかな磁束変化(ノイズなども含む)で出力が遷移するのを防ぐための不感帯。