エンジニアコラム

Motor Notesモーターの進化とその種類

2018.06.26

ニコラ・テスラが交流モーターを発明したのが1888年と言われています。以来モーターは、モーターの構成材料(磁石、鋼板など)、半導体デバイスの材料、部品技術、制御技術など、様々な要素革新により大きく進化してきました。例えば1900年初頭に開発された出力5馬力の誘導モーターは、2000年初頭には約1/5にまで小型軽量化が進みました。(注1)

そして、今や世界のモーターの年間生産台数は約100億台、その消費電力は世界の消費電力量全体の約50%を占めています。モーターに対する一般的で基本的な要求は「小型軽量」、「高効率」、「低騒音」、「低振動」です。これらに加えて、各市場(情報、家電、住宅設備、産業、自動車、他)の用途特性に最適なモーターの開発が続いています。今後もモーター単体の特性向上や駆動制御回路との複合化技術によりアプリケーションが広がり、モーターの需要は益々増える一方です。特に家電機器、産業機器用モーターの省エネ規制と、北米、欧州を中心とした自動車市場の環境規制に後押しされ、自動車分野におけるHV、EV、PHV、FCV、48Vマイルドハイブリッド車などの開発、市場導入が進み、モーターの台数はさらに増加していくでしょう。

さて、このように需要増加が続くモーターですが、その種類は伝統的には駆動電源の種類(AC、DC)により分類されています。しかしながら、最近の技術動向として駆動回路とモーターが一体化した機電一体のケースが多くなり、モーターの区分は単純なAC、DCの電源区分だけでは実情に合わなくなってきています。こういった多様化を考慮するならば、モーターの種類は①電源の種類、②トルク発生原理、③構造、④用途および特性など、「目的に応じてモーターを選定する」という立場に立つと以下のような分類が可能だと考えます。

「目的に応じてモーターを選定する」という立場からのモーターの分類

注1:日立評論2010年12月号より。

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モーターは様々な分野で多様なアプリケーションに使用されているので多くの種類があり、モーターのドライブ(駆動)方法や制御方法も多様です。このハンドブックでは、モーターの基礎とモータードライブの概要について解説しています。

モーターの進化とその種類

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モーターの基礎とモータードライブの概要