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コラム

Motor Notes

モータの進化とその種類

ニコラ・テスラが交流モータを発明したのが1888年と言われています。以来モータは、モータの構成材料(磁石、鋼板など)、半導体デバイスの材料、部品技術、制御技術など、様々な要素革新により大きく進化してきました。例えば1900年初頭に開発された出力5馬力の誘導モータは、2000年初頭には約1/5にまで小型軽量化が進みました。(注1)

そして、今や世界のモータの年間生産台数は約100億台、その消費電力は世界の消費電力量全体の約50%を占めています。モータに対する一般的で基本的な要求は「小型軽量」、「高効率」、「低騒音」、「低振動」です。これらに加えて、各市場(情報、家電、住宅設備、産業、自動車、他)の用途特性に最適なモータの開発が続いています。今後もモータ単体の特性向上や駆動制御回路との複合化技術によりアプリケーションが広がり、モータの需要は益々増える一方です。特に家電機器、産業機器用モータの省エネ規制と、北米、欧州を中心とした自動車市場の環境規制に後押しされ、自動車分野におけるHV、EV、PHV、FCV、48Vマイルドハイブリッド車などの開発、市場導入が進み、モータの台数はさらに増加していくでしょう。

さて、このように需要増加が続くモータですが、その種類は伝統的には駆動電源の種類(AC、DC)により分類されています。しかしながら、最近の技術動向として駆動回路とモータが一体化した機電一体のケースが多くなり、モータの区分は単純なAC、DCの電源区分だけでは実情に合わなくなってきています。こういった多様化を考慮するならば、モータの種類は①電源の種類、②トルク発生原理、③構造、④用途および特性など、「目的に応じてモータを選定する」という立場に立つと以下のような分類が可能だと考えます。

「目的に応じてモータを選定する」という立場からのモータの分類

注1:日立評論2010年12月号より。

For Beginners

ニコラ・テスラ:
Nikola Tesla(1856年~1943年)は、交流電気方式、無線操縦、蛍光灯、テスラコイルなど電気に関連する発明多数。磁束密度の単位「テスラ」も彼の名に由来。エジソンとの電流戦争(AC vs DC)の逸話は有名。
HV、EV、PHV、FCV:
モータを利用する自動車の略称。HV=ハイブリッド自動車、EV=電気自動車、PHV=プラグインハイブリッド自動車(外部電源で充電可能なHV)、FCV=燃料電池自動車