ステッピングモーター|基礎編
ステッピングモーターの駆動:バイポーラ結線とユニポーラ結線
2019.06.11
この記事のポイント
・バイポーラ結線
-1つの巻線に対して双方向に電流を流す駆動方式(バイポーラ駆動)を取る。
-構造は簡単だが駆動回路は複雑になる。
-巻線の利用効率がよく細やかな制御ができるので高い出力トルクが得られる。
-コイルに発生する逆起電力を低減できるので、耐圧が低めのモータードライバを利用できる。
・ユニポーラ結線
-センタータップを持ち、1つの巻線に対し常に一定方向に電流を流す駆動方式(ユニポーラ駆動)を
取る。
-構造は複雑になるが駆動回路は簡単になる。
-巻線の利用効率が悪く、バイポーラ結線に比べ約半分程度の出力トルクしか得られない。
-コイルに高い逆起電力が発生するので、高耐圧のモータードライバが必要になる。
ここからは、2相バイポーラステッピングモーターと、2相ユニポーラステッピングモーターの駆動回路と駆動方法について解説していきます。最初に、バイポーラ結線とユニポーラ結線について説明します。
ステッピングモーター:バイポーラ結線とユニポーラ結線
ステッピングモーターにはバイポーラ結線タイプとユニポーラ結線タイプがあり、それぞれにメリットとデメリットがありますので、特徴を理解し用途に合わせて利用することになります。
■バイポーラ結線
バイポーラ結線は図のような結線で、1つの巻線に対して双方向に電流を流す駆動方式(バイポーラ駆動)を取ります。モーターとしての構造は簡単で端子数も少ないのですが、1つの端子の極性を制御しないといけないので駆動回路は複雑になります。しかしながら、巻線の利用効率がよく細やかな制御ができるので高い出力トルクが得られます。また、コイルに発生する逆起電力を低減できるので、耐圧が低めのモータードライバーを利用できます。
■ユニポーラ結線
ユニポーラ結線は図のようにセンタータップを持ち、1つの巻線に対し常に一定方向に電流を流す駆動方式(ユニポーラ駆動)を取ります。モーターとしての構造は複雑になりますが、電流のオン/オフだけの制御で済むので駆動回路が簡単になります。しかしながら、その分巻線の利用効率が悪く、バイポーラ結線に比べ約半分程度の出力トルクしか得られません。また、電流オン/オフの際にコイルに高い逆起電力が発生するので、高耐圧のモータードライバーが必要になります。
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