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基礎知識

基礎編

ブラシ付きDCモータ

ブラシ付きDCモータの特性

前回までは、ブラシ付きDCモータの原理に関する説明をしてきました。今回は、ブラシ付きDCモータの基本特性について説明します。

ブラシ付きDCモータの特性

単純な話をすれば、モータは電源電圧を印加すると電流が流れ回転しますが、電源電圧、回転数、トルクといった特性はそれぞれに関係があります。ブラシ付きモータの等価回路と式を使って説明します。

●閉回路のDC関係式:Ea=R×Ia+Ec
 *Ea:電源電圧、R:電機子抵抗、Ia:モータ電流、
    Ec:モータ誘起電圧

電源電圧Eaは、電機子抵抗Rとモータ電流Iaをかけた値に、誘起電圧Ecを加えた値になります。電機子抵抗は巻線や鉄心の抵抗成分です。抵抗×電流が電圧になるのはオームの法則そのものです。誘起電圧はモータが回転することで生じる電圧(発電)で、追加の電圧となります。

ブラシ付きDCモータの等価回路

●モータ誘起電圧:Ec=Ke×N
 *Ec:モータ誘起電圧、Ke:発電係数、N:回転数

モータの誘起電圧Ecは、発電定数Keに回転数Nをかけた値になります。したがって、モータの誘起電圧は回転数に比例します。

●モータトルク:T=Kt×Ia
 *T:トルク、Kt:トルク定数、Ia:モータ電流

モータのトルクTは、トルク定数Ktにモータ電流Iaをかけた値になります。したがって、モータトルクは電流に比例します。

●回転数とトルクの関係:N=Ea/Ke-R/(Ke×Kt)×T

前に述べたモータの誘起電圧とトルクの式をまとめ、回転数NとトルクTの関係を表します。KeとKtは定数なので、1) トルクTがかかると回転数Nは一定値で低下する、2) トルクTが一定の場合電源電圧Eaに比例して回転数Nが上昇する、ことが式からわかります。

上記の関係を右図にまとめました。トルク-回転数(T-N)特性は、トルクがかかると回転数が一定に低下、つまり反比例します。また、電源電圧を上げるとモータにかかる電圧が大きくなるため回転数は上昇します。回転数ゼロの時が最大トルクとなります。

トルク-電流(T-I)特性は、トルクがかかるとモータ電流は一定に増加、つまり比例します。最大トルク時=回転数ゼロ時にモータ電流は最大になります。

モータを駆動する場合、この関係を基に駆動条件を考えることになります。

ブラシ付きDCモータのトルク-回転数特性およびトルク-電流特性

モータパラメータの単位

先の説明でいくつかモータパラメータが出てきたので、それらの単位系について一般的なものを示します。

回転数N: min-1、rpm、rad/s
トルクT: N・m
発電係数Ke: V・s/rad、V/rpm
トルク定数Kt: N・m/A

複数の単位系をもつパラメータがありますが、電気エネルギーを機械エネルギーに変換する場合の単位系としては、太字で示したN・m、rad/s、V・s/radで統一する必要があります。

キーポイント

  • ・トルクがかかると回転数が一定に低下する。
  • ・電源電圧を上げると回転数は上昇する。
  • ・トルクがかかるとモータ電流は一定に増加する。
  • ・最大トルク時=回転数ゼロ時=モータ電流最大。