IoT技術情報サイト

エンジニアに直接聞く

工場のIoT化を促進するマシンヘルス Part 3

デモンストレーション:
ポンプ異常振動検出

注目ワード
  • ポンプ異常振動検出
  • EnOcean電池レス振動センサ
  • EnOcean電池レスシグナルタワーセンサ
  • EnOcean電池レス電流センサ

-それでは、具体的なデモ機の構成やデモ内容についてお聞きしたいと思います。

会場でのデモに関してはいくつか用意したのですが、その中から2つほど紹介させていただければと思います。写真や図も用意してあります。

最初は、「ポンプ異常振動検出」です。振動センサによってポンプの振動を測定し、無線で振動データを制御装置に送信します。制御装置は振動に変化があるとアラートを出してポンプを停止し、シグナルタワーを点灯させます。その状態を検知したシグナルタワーセンサや電流センサも無線で異常を送信します。

-ポンプの振動が変わったことを検知して、それを知らせるということですね。

そうです。この機能を実現するために、デモ機の3つのセンサノードを使用しています。写真に3つのセンサの種類と位置を示してあります。それでは、センサノードごとに説明します。

まず、「EnOcean電池レス振動センサ」ですが、これは、モータに取り付けた振動センサでモータの振動を検出し、検出したデータを振動のエネルギーで生成した電力によって無線送信します。

振動検出には、ロームグループのKionix(カイオニクス)の加速度センサKX123-1039を使用しています。このセンサはI2Cデジタル出力なので、直接マイコンにデジタルデータを送ります。マイコンは、同じくロームグループのラピスセミコンダクタの16bitハイパフォーマンス&超ローパワーマイコンML620Q504を使用しています。マイコンで処理されたデータは、EnOcean送受信用プログラマブル無線モジュールTCM410Jを使い、EnOcean無線通信により送信されます。写真は実際のセンサです。

-センサ+マイコン+無線を組み合わせたセンサモジュールですね。

IoTアプリケーションでは、センサから無線まで一式揃ったものをセンサと呼ぶようになりつつあります。回路設計者からすると少し違和感があるかもしれませんが、IoTの観点からすれば、無線まで付いてセンサということでしょうか。

-そういう意味で、このセンサノード自体を「EnOcean電池レス振動センサ」と表現しているわけですね。それでは、「センサ」という語が示す範囲を広げてお話を聞いていきます。

2つ目は、「EnOcean電池レスシグナルタワーセンサ」です。センサ数値に異常が検出された場合にはシグナルタワーが点灯します。そのシグナルタワーの点灯情報を、環境光のエネルギーで無線送信しアラートを表示させます。

シグナルタワーは、工場の装置などに設置されているもので、生産ラインなどでご覧になったことがあると思います。このセンサは、EnOcean温度センサモジュールSTM431Jを利用しています。フォトダイオードがシグナルタワー点灯を検出し、その信号を利用して点灯情報を送信します。STM431Jにはソーラーパネルが搭載されており、微弱な光でも電池レス動作が可能です。この回路では、その電力をフォトダイオードのバイアスにも利用しています。センサモジュールはシグナルタワーの上に設置されており、フォトダイオードはタワーの側面に貼り付けられています。

-これは、STM431JというEnOceanセンサモジュール自身が発電機能を備えていることもあり、とてもシンプルですね。

それに加えてSTM431Jは、基板のサイズが43×16mmで、写真にあるコイル状のアンテナが22mm弱なので非常にコンパクトで、設置も簡単です。

3つ目は、「EnOcean電池レス電流センサ」で、装置の電源ケーブルに取り付けた電流センサで流れる電流を測定し、電源ケーブルから発生する磁場エネルギーでデータを無線送信します。

CT(Current Transformer/変流器)センサの信号は、電流値に変換され、EnOcean STM400Jによって無線送信されます。STM400Jは、外部の環境発電デバイスの電力で動作する超低消費電力無線通信モジュールです。STM400Jの電源は、CTセンサに発生する磁場を利用して発電しています。

-ということは、振動センサ、シグナルタワーセンサ、電流センサの3つのEnOcean電池レスセンサを使ってポンプの動作をモニタしながら、異常を検出すると通知するデモであると理解してよろしいですか?

そうですね。着目いただきたいのは、すべて電池レスで個々に無線通信機能をもったセンサなので、設置が非常に簡単です。また、異常を知らせるだけではなく正常状態のデータも取得可能なので、予知保全への利用はもちろん、IoTのポイントである取得したデータを様々に活用することが、思いのほか簡単に実現できることです。

Part 4に続く

技術資料ダウンロード