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13.56MHz(NFC)ワイヤレス給電のアドバンテージとはリファレンスキットで簡単迅速に13.56MHzワイヤレス給電を評価
2019.10.15
-実装例をいくつか見せていただきましたが、ユーザーが実際に設計や評価を行うためにどんなサポートがあるか教えてください。
LSIのデータシートなどのドキュメントはもちろん提供していますので、特にアンテナに関する情報とリファレンスキットについて紹介させてください。
今までML7630/ML7631の回路例や実装ボードをご覧いただいたのでイメージできるかと思いますが、必要な外付け部品はわずかです。その中で少々特殊なのは送電および受電用のアンテナで、電子ペンなど小型機器に実装するとなると性能はもちろんですが、サイズが非常に重要になります。これは、対応可能なアンテナの例で、コイルタイプ、フレキシブル基板やプリント基板に形成した平面タイプ、キューブタイプのものです。
-電子ペンの実装試行で見せてもらったように、ペンやホルダの形状に合わせてアンテナの形状を選ぶということですね。
そうですね。もちろん、他にも使用可能なものがありますので、アプリケーションに最適なサイズ・形状で電気的仕様を満足するものを選ぶことになります。
-では、リファレンスキットはどんな内容ですか?
写真にあるように、送電ボード、受電ボード、LCDボードが各1枚ずつ、USBケーブルが2本、受電ボートとLCDボードの接続コードが2本になります。
送電ボードには送電LSIのML763、24mm×24mmのPCBパターンアンテナが実装されています。受電ボードはML7630と16mm×16mmのPCBパターンアンテナになります。LCDボードは受電ボードが受電している電力を確認するためのもので、電力値が表示されます。
-このキットでどんなことができますか?
まずは、各ケーブルをつなぐだけで、すぐにワイヤレス給電のデモができます。他にアンテナ特性の評価、NFC Forum Type3 Tag通信機能の確認、受電デバイスの脱着検出機能の確認ができます。
-ケーブルをつなぐだけですか?
はい。写真にあるように、LCDボードに受電電力を表示させるために受電ボードとLCDボードを付属のケーブルでつなぎます。送電ボードとLCDボードは電源が必要なので、付属のUSBケーブルでUSBポートから電力供給します。送電ボードのReady状態を確認した後、受電ボードと送電ボードのPCBパターンアンテナを近付ける送電が始まり、LCDボードには受電ボードが受電している電力が表示されます。アンテナ間の距離により受電電力が変化することが確認でき、これによってアンテナ特性を確認できます。
また、アンテナを近付けたり離したりすることで、送電の開始と停止も確認できます。これで、受電デバイスの脱着検出機能が確認できます。
-他に何かありますか?
ワイヤレス給電の特設サイトを開設しており、いろいろな情報を提供しています。動画は他にも、「ワイヤレス給電チップセットに関するエンジニアプレゼン」と「ワイヤレス給電セミナーのダイジェスト」があります。ドキュメント類もここを経由してアクセスできます。
また、小型受電ボードのリファレンスデザインとして、回路図、基板ガーバーデータ、部品リストの提供も可能です。
-それでは、最後にまとめをお願いします。
今回開発したワイヤレス給電チップセットは、13.56MHzという高周波数を使うことで、ここではアンテナと呼んでいますが送電・受電に使うコイルに、大幅に小型のものを使うことができるようにしました。これによって、今までサイズの関係でワイヤレス充電のハードウェアを搭載することが困難だった、特に電子ペンのような小型受電デバイスのワイヤレス充電が可能になりました。
また、13.56MHzはNFCと同じ周波数なので、NFC Forum Type3 Tag通信機能を同じハードウェアで実現でき、アプリケーションが広がります。
ロームでは、今回お話したリファレンスキットの提供をはじめとしたサポートを展開しています。これらのツールや情報を使って、今までサイズが理由で諦めていた小型機器のワイヤレス充電をぜひ実現して行きたいと思います。
-ありがとうございました。
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