EnOcean|基礎編

ソフトウェア開発フロー

2020.01.14

この記事のポイント

・ソフトウェア開発は以下のフローとなる。

     
  • -Dolphin V4 SuiteのツールDolphin V4 API configuratorの自動生成APIコンフィグレーション用ファイルと、ユーザが用意するソースコードをμVision統合開発環境へ入力し、コンパイル、リンク、ポストビルドを行うことによって、Dolphin V4 ICへ実装するバイナリファイル(hexファイル)を出力する。
  • -EOPX2 Programmerツールにより、Dolphin V4 ICのコンフィグレーションエリアの情報が読み出されるとともに、hexファイルと組み合わせてDolphin V4 ICへ書き戻される。

前回まで5回にわたりDOLPHIN V4開発ツールについて説明をしてきました。今回は、それらを利用した開発フローについて説明します。

ソフトウェア開発フロー

Dolphin V4 Suiteと連携して、ソフトウェア開発を行う際の開発フロー例を示します。Dolphin V4 SuiteのツールでDolphin V4コアのI/O端子や周辺機能のコンフィグレーションを行うDolphin V4 API configuratorによって自動的に生成されるAPIコンフィグレーション用のファイル(EO3100I_cfg.hやEO3100I_cfg.c)と、ユーザが用意するソースコードをμVision統合開発環境へ入力して、コンパイル、リンク、ポストビルドを行うことによって、Dolphin V4 ICへ実装するバイナリファイル(hexファイル)を出力します。

Dolphin V4 Suiteと連携して、ソフトウェア開発を行う際の開発フロー例。

上記で生成されたバイナリファイル(hexファイル)を、Dolphin V4 ICにプログラミングする際のプログラミングフローを以下に示します。

バイナリファイル(hexファイル)を、Dolphin V4 ICにプログラミングする際のプログラミングフロー。

EOPX2 Programmerツールによって、Dolphin V4 ICのコンフィグレーションエリアの情報が読み出されるとともに、生成されたhexファイルと組み合わせてDolphin V4 ICへ書き戻されます。

Dolphin V4モジュールのメモリ構成

実際のソフトウェア開発で利用することができるDolphin V4モジュールのメモリ構成は以下のようになっています。

Dolphin V4モジュールのメモリ構成
ROM フラッシュROM 64KB “CODE”
RAM 外部RAM 4KB “XDATA”
内部RAM 256byte “DATA”,
“IDATA”
低電圧動作RAM sleep復帰後もデータ保持 32byte “RAM0”

Dolphin V4モジュールのソフトウェア構造

前述の64KBのフラッシュメモリは、プログラムにもデータにも使うことができ、512バイトを1ページとして128ページ分が用意されています。実際のDolphin V4モジュールのメモリマップは以下のような構成となっています。

  • ・PROGRAM(PRG):実行コード
  • ・Smart Ack Data:Smart Ack機能の不揮発データ
  • ・SOFTWARE CONFIGURATION(CFG):アプリケーションのコンフィグレーション情報
  • ・SOFWARE INFORMATION(SWI):ソフトウェアのバージョンやアプリケーションの名前
  • ・CHIP INFORMATION(INF):チップのID
  • ・MODULE CONFIGRATION(MOD):チップの校正値

次回から開発の例を紹介して行きます。

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