EnOcean|基礎編
Dolphin V4 Suite
2019.09.10
この記事のポイント
・EnOceanアプリケーション開発のためのツールがEnOcean社から提供されている。
・Dolphin V4 Suiteは、プログラム変更やコンフィグレーション設定が可能なEnOceanモジュール製品(TCM 4xxJ / STM 4xxJ)の情報を変更するときに使用するツール。
・Dolphin V4 Suiteは、以下の4つのソフトウェアで構成されている。
- 1.Dolphin V4 API Configurator:Dolphin V4コアのI/O端子その他の周辺機能設定
- 2.Dolphin V4 Module Configurator:各種モジュールのコンフィグレーション設定
- 3.Dolphin V4 Calibration:Dolphin V4コアの各種キャリブレーション
- 4.Dolphin V4 Programmer:各種モジュールへのプログラム書き込み
今回は、前回のDolphin V4 APIに続いて、DOLPHIN V4 開発ツールの2つ目、「Dolphin V4 Suite」について説明します。
DOLPHIN V4開発ツール:Dolphin V4 Suite
DOLPHIN V4開発ツールDolphin V4 Suiteは、プログラム変更や各種のコンフィグレーション設定が可能なEnOceanモジュール製品(TCM 4xxJ / STM 4xxJ)の、プログラムの書き込みやコンフィグレーション設定等、デバイスの情報を変更するときに使用するツールです。
Dolphin V4 Suiteは、以下の4つのソフトウェアで構成されています。
Dolphin V4 Suiteツールをパソコンにインストールすると、自動的にこれら4つのツールが生成され、各操作の詳細を示したマニュアルも格納されます。以下、各ツールの概要です。
Dolphin V4 API Configurator
Dolphin V4 API Configuratorは、EnOceanモジュールの持つ周辺機能の設定、例えばI/O端子の設定などをGUI上で行うものです。下図は、Dolphin V4 API Configuratorを用いて周辺機能の設定を行う操作画面の例です。EnOceanモジュールの機種ごとに専用のGUI画面が用意されています。
Dolphin V4 API Configuratorは、以下の3つのファイルを出力します。これらは、開発したファームウェアをコンパイルする際に一緒に使用される各種設定ファイルです。
1)EO3100I_CFG.h
2)EO3100I_CFG.c
3)STARTUP.A51
Dolphin V4 Module Configurator
Dolphin V4 Module Configuratorは、EnOceanから提供されるデフォルトファームウェアのコンフィグレーション設定、例えばウェイクアップタイミングやセンサデータのスレッショルドなどをGUI上で変更できるツールです。下図は、Dolphin V4 Module Configuratorを使ってモジュールのコンフィグレーション設定を行う操作画面の例です。同様にEnOceanモジュールの機種ごとに専用のGUI画面が用意されています。
画面上のReadボタンをクリックすると、モジュールに書き込まれているコンフィグレーション設定を読み出します。また、GUI上でコンフィグレーション設定を変更後Writeボタンをクリックすると、変更した設定をモジュールに書き込むことができます。
EnOceanモジュールをデフォルトのファームウェアのままで使用する場合に、Dolphin V4 Module Configuratorが提供しているコンフィグレーション設定範囲が想定使用条件を満足するなら、簡単カスタマイズするだけで新たにファームウェアを開発する必要がないため開発時間を短縮できます。
Dolphin V4 Calibration
Dolphin V4 Calibrationは、Dolphin V4チップに書き込まれている周波数や温度補正値などのデータの校正を行うソフトウェアです。下図は、Dolphin V4 Calibrationを用いてモジュールの各種キャリブレーションを行う操作画面の例です。
主に、温度センサの出力値が実測と異なる場合などに利用します。
Dolphin V4 Programmer
Dolphin V4 Programmerは、ユーザのカスタムファームウェアの書き込み、モジュールに書き込まれているファームウェア情報を読み出しに使用します。IDやキャリブレーション値など工場出荷時に設定・記録された各種のモジュール情報を読み出すことも可能です。下図は、操作画面の例です。
以上、Dolphin V4 Suiteを構成する4つのツールの概要を説明しましたが、各ツールの詳細についてはDolphin V4 Suiteインストール時にPCに格納されるマニュアルを参照願います。
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EnOcean
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基礎編
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EnOcean電池不要の無線モジュール ー概要ー
- スイッチモジュール : PTM210J
- スイッチ用発電モジュール : ECO 200
- スイッチ用送信モジュール : PTM 430J
- マグネットコンタクトモジュール : STM 429J
- 温度センサモジュール : STM 431J
- 湿度センサモジュール : HSM 100
- モジュール用ケースおよびケース付きモジュール
- 受送信モジュール : USB 400J
- 送信モジュール : STM 400J
- 送受信モジュール : TCM 410J
- EnOcean開発キット : EDK 400J
- ゲートウェイ開発キット : CS-A420W-ENOCEAN
- 送受信モジュール : CS35A3
- EnOcean電池不要の無線モジュール ーまとめー
- EnOcean無線通信技術
- DOLPHIN V4プラットフォーム
- DOLPHIN V4 開発ツールと開発フロー
- EnOceanを活用した開発導入事例
- 電波伝播に影響する要因と回避策
- EnOcean機器設置の実際
- EnOcean無線周波数への対応
- EnOceanエネルギーバジェット計算
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IoTにセンサソリューションと無線通信を提供するEnOcean
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EnOcean電池不要の無線モジュール ー概要ー
- 製品紹介
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