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ERP2テレグラムの構造

EnOcean無線通信のプロトコルであるERP(EnOcean Radio Protocol)のプロトコルスタックと電気的仕様の説明に続いて、今回はERPテレグラムの構造についてです。

ERP2テレグラムの構造

ERP2はパケット型の通信を基本としたプロトコルです。実際の無線信号は、以下の3つのデータユニットタイプにより構成されています。

  ①フレーム
  ②サブテレグラム
  ③テレグラム

①フレーム
フレームは、データユニットの中で最下層(最小単位)を構成します。受信における同期や制御に関係するパラメータといった物理層に関連するデータを伝達し、シリアルで送信されます。そこでは、PreambleやStart of frame(SoF)、Inverse bitやEnd of frame(EoF)などが、通信を保証するために用意されています。以下はフレームの構造です。これより階層を1つ上がると、次のデータユニットであるサブテレグラムが形成されます。

ERP2フレーム構造

②サブテレグラム
サブテレグラムは、データリンク層に関係するデータの伝送を担当し、主にデータの符号化や復号化を引き受けます。

③テレグラム
テレグラムは、最大3回の同一内容のサブテレグラムで構成されます。基本的にERPは一方向プロトコルですが、SmartAck(後述予定)などの機能を用いることで双方向プロトコルを提供することが可能です。このプロトコルはハンドシェイク型ではありませんが、同一のサブテレグラムを決められた時間内に最大で3回送信する仕組みによって、通信の信頼性を確保しています。

この目的は、無線通信の衝突を避けるためであり、受信機側では最大3回のサブテレグラムのうちの1つでも受信が成功すれば、EnOcean通信は成功したとみなします。送信・受信ともに決められた期間(Maturity Timeと呼ぶ)以内で送信・受信を行うと規定されていますが、3回のサブテレグラム送信すべてが衝突しないように、2回目3回目のサブテレグラムのタイミングはランダムになるように規定されています。

なお、前回示したEnOcean通信階層構造においては、フレーム~サブテレグラムまでが物理層で、サブテレグラムを最大3回送信するという仕様(テレグラム仕様)以降がデータリンク層となります。

EnOcean通信ERP階層構造

ERP(EnOcean Radio Protocol)の階層(OSI参照モデル)

次回は、サブテレグラムの構成やタイミングの詳細を予定しています。

キーポイント:

・ERP2の実際の無線信号は、フレーム、サブテレグラム、テレグラムの3つのデータユニットタイプにより構成されている。

・EnOcean通信階層構造においては、フレーム~サブテレグラムまでが物理層、サブテレグラム以降がデータリンク層となる。