EnOcean|基礎編
EnOcean通信とプロトコル
2018.07.17
この記事のポイント
・EnOcean Radio Protocol(ERP)は、センサノードなどと受信機間の無線テレグラムを規定するプロトコル。
・EnOcean Serial Protocol(ESP)は、ERPに従った無線テレグラムを受信した後にホストCPUなどへ有線シリアル通信で受信データを送る際のプロトコル。
EnOcean無線通信システムは、前回のDOLPHIN V4プラットフォームをハードウェアのベースとして、様々な階層の通信プロトコルやソフトウェアスタックによって実現されています。今回はEnOcean通信プロトコルの概要について説明します。
EnOcean通信プロトコルの概要
図は、EnOcean通信システムの各プロトコルの概要を示しています。
■EnOcean Radio Protocol(ERP)
EnOcean Radio Protocol(ERP)は、図の「センサノード」と「受信機」間の無線テレグラムを規定するプロトコルです。一般的な物理層からデータリンク層やネットワーク層までに相当する部分のプロトコルで、機器のIDやセンサ信号を最小限の情報量で送信できるように作られたプロトコルです。また、同一内容のデータを複数回送信することで、通信成功率を高めるという特徴も持っています。これらの特徴によって、エネルギーハーベスティングという供給電力などに制限がある条件であっても無線通信が成立することが、EnOcean通信の最大の特徴と言えます。EnOcean Radio Protocol(ERP)は、EnOceanアライアンスによって国際標準化されています。
■EnOcean Serial Protocol(ESP)
EnOcean Serial Protocol(ESP)は、EnOcean受信機が前述のEnOcean Radio Protocol(ERP)に従った無線テレグラムを受信した後に、上位のホストCPUなどへ有線シリアル通信で受信データを送る際のプロトコルです。シリアル通信で送る受信データの記述フォーマットや、EnOcean受信機のIDを取得する等のコマンド群が定義されています。
次回から、ERPとESPの詳細について説明を予定しています。
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EnOcean
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基礎編
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EnOcean電池不要の無線モジュール ー概要ー
- スイッチモジュール : PTM210J
- スイッチ用発電モジュール : ECO 200
- スイッチ用送信モジュール : PTM 430J
- マグネットコンタクトモジュール : STM 429J
- 温度センサモジュール : STM 431J
- 湿度センサモジュール : HSM 100
- モジュール用ケースおよびケース付きモジュール
- 受送信モジュール : USB 400J
- 送信モジュール : STM 400J
- 送受信モジュール : TCM 410J
- EnOcean開発キット : EDK 400J
- ゲートウェイ開発キット : CS-A420W-ENOCEAN
- 送受信モジュール : CS35A3
- EnOcean電池不要の無線モジュール ーまとめー
- EnOcean無線通信技術
- DOLPHIN V4プラットフォーム
- DOLPHIN V4 開発ツールと開発フロー
- EnOceanを活用した開発導入事例
- 電波伝播に影響する要因と回避策
- EnOcean機器設置の実際
- EnOcean無線周波数への対応
- EnOceanエネルギーバジェット計算
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IoTにセンサソリューションと無線通信を提供するEnOcean
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EnOcean電池不要の無線モジュール ー概要ー
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