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EnOcean電池不要の無線モジュール

スイッチモジュール : PTM210J

前回は、EnOceanの電池不要無線モジュールの全体像を理解してもらうために概要を説明しました。今回から、各モジュールの詳細を説明したいと思います。

スイッチモジュール PTM 210Jの動作原理

スイッチモジュール「PTM 210J」は、電池を使わずにワイヤレスリモコン機能を実現する無線通信モジュールです。電力は、「押す」という動作を電気エネルギーに変換する内蔵の電磁誘導型発電素子(ECO 200)によって生成され、PTM210Jはその生成エネルギーのみで動作します。

PTM 210Jは、電磁誘導型発電素子(ECO 200)、低消費電力の無線モジュール、機構部品(バネ等)で構成されており、これらを組み合わせたスイッチモジュールとして供給されています。人が実際に操作する機構を含むスイッチ筐体などに、そのまま組み込むことを想定した機能モジュールです。

主な用途は、右下段の図のような壁付け型の2点または4点タイプの平型ロッカースイッチや、4ボタン型の携帯リモコン、1点タイプのコールスイッチなどです。主にビルや産業機器オートメーションの小型スイッチなどに応用されています。

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PTM 210Jの側面2箇所には、「エネルギーボウ」と呼ばれる発電にかかわる可動部があります。このレバーを押し下げる、または離す(内部のバネの力で押し戻される)と、この動きによって内部の電磁誘導型発電素子(ECO 200)が発電し、その電力を使って無線信号を送信します。

表面に4箇所ある「コンタクトニップル」をエネルギーボウと同時に押し下げることによって、独立した4箇所のボタンの押し下げ(組み合わせ最大16通り)を区別し、その組み合わせを示すデータを無線送信します。

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PTM 210Jは、発電時の電気的パルスの極性を検出することで「押す」と「離す」を区別して、異なる無線信号(以降「テレグラム」と呼ぶ。詳細は次章にて)データを生成します。したがって、無線テレグラムには押されたか離されたかの情報が含まれており、アプリケーションに応じてこの情報を利用することができます。

また「長押し」と「短押し」の違いは、ボタンを押した時と離した時の時間差として、受信機によって簡単に検出することができます。このように、様々な操作によるユーザーインタフェースを提供することが可能で、例えば、調光やスラット板の動作を含めたブラインドのコントロールなどが簡単にできます。

設計サポート

PTM 210Jの寸法と操作のサポートとして、「Mounting Instruction」が用意されています。PTM 210Jを用いた筐体の設計についてはEnOcean GmbHから、3次元CADデータ(.igsフォーマット)が参考データとして提供されています。また、PTM 210Jに取り付けて使用するスイッチプレートの設計例についても、3次元CADデータ(.igsフォーマット)が参考データとして提供されています。

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PTM 210Jの3D CADデータ
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PTM 210Jに取り付けて使用するスイッチプレートの例(参考)と3D CADデータ

このように、試作や設計に関して様々なサポートがされていますので、大いに利用すべきだと思います。参考までに、PTM 210Jに関すデータの入手先を記します。

PTM 210Jに関する情報の入手先(リンク先から資料をダウンロードできます)

EnOcean製品特設サイト:PTM 210J

EnOcean GmbH

  > PTM 210J Mounting Instruction
  > 筐体設計例用3次元CADデータ<
  > スイッチプレート設計例3次元CADデータ

次回は、スイッチ用発電モジュールを予定しています。

キーポイント:

・スイッチモジュールPTM210Jは、スイッチを押す動作で電磁誘導型発電素子が電力を生成し、データを無線送信する。

・4箇所のボタンの押し下げ(組み合わせ最大16通り)を区別する。

・スイッチを押した時/離した時各々で無線送信するので長押し/短押しの検出も可能。

・Mounting Instructionや設計用のCADデータ提供などのサポート体制がある。