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EnOcean無線通信技術

EnOcean無線通信技術の導入事例

今回は、EnOceanの無線通信技術の導入概要について説明します。具体的に、どのようなところでどのように使われているかということを知ることで、EnOcean無線通信技術のアプリケーションイメージができると思います。

EnOcean無線通信技術の導入事例

エネルギーハーベスティングを用いた電源不要のEnOceanワイヤレスセンサネットワーク技術は、建物での利用において高い柔軟性と設備投資および運用コストの低減というメリットをもたらすことが可能です。EnOcean無線通信はすでに世界中で活用されており、オフィスビルや産業機器オートメーションなど、様々な市場に対して導入実績があります。ヨーロッパ、北米、中国などを中心に、400を超えるパートナー企業から1,500種類の相互接続可能な製品が販売され、約350,000棟の建物に採用されています。

これらの写真は、主にヨーロッパにおけるEnOcean無線通信技術が導入されている実際の施設です。オフィス、商用テナントビル、ホテル、空港、駅、歴史的建造物、工場、病院、学校、住宅など、多数の様々な建物に導入されています。

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中央の写真にある曲線的なフォルムの建物は、ドイツのフランクフルト空港駅にある「ザ・スクエア」という商用テナントビルです。全長660m、9階建て、床面積は140,000㎡で、ドイツ最大の商用ビル(2011年時点)と言われています。ザ・スクエアでは、建物全体でEnOcean無線通信技術が採用されており、ビル全体でEnOceanスイッチが12,000個、室内センサが6,000個、受発信機が1,800個使われています。

主な用途は、照明の制御、窓の開閉制御、ブラインドの制御、室内空調の制御です。さらにEnOcean信号を、ビル全体のネットワークシステムやビルオートメーションシステム(有線)へ変換して情報を結合するといったことも行われています。ザ・スクエアは、環境に優しい技術を積極的に採用し運用している持続可能なグリーンビルとして、欧州でも高い評価を受けています。

ホテルへの導入事例

次の図は、ホテルへの導入事例です。照明制御、キーカードスイッチ、人感センサ、温度センサ、ブラインドやシャッターの制御、窓の開閉検知、管理室での集中管理や制御などにEnOcean無線通信技術が利用されています。

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ホテルでは、滞在者が照明やエアコンをつけっ放しで外出するなど、電気の無駄使いが少なくないと言われています。例えば、部屋に人がいなく窓が開いていた場合に、照明を消してエアコンを止めるなどの自動制御をすることで、最大40%の電気代削減が可能であると言われています。

日本国内での導入事例

冒頭に、すでに多くの導入が行われている海外の例を示しましたが、日本でも同様にオフィスビルや商業施設などへの導入が進んでいます。中でも、省エネや柔軟性に加えて、文化財の保護に役立ってる例を紹介します。奈良県の當麻寺(たいまでら)では、ライトアップにEnOcean無線通信技術を利用しています。

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文化財には仏像だけではなく床、壁、柱も含まれるため、EnOcean無線通信技術を用いた照明ソリューションには次のようなメリットがあります。

  • スイッチに配線が不要なため美観を損ねない。
  • 照明用の電源配線の引き回しを減らし、文化財へのダメージを減らすとともに火災リスクを低減する。
  • 電池交換が不要なのでメンテナンスフリー。
  • スイッチを固定設置する必要がなく、管理の届くところに持ち運ぶことができるので、観光客などのいたずらを回避できる。

このように、文化財保護の観点を考慮したシステムが高く評価され、文化財のライトアップソリューションとして採用が進んでいます。

EnOceanアライアンスのホームページに、EnOcean技術の導入事例が他にも多数掲載されているので合わせて参考にしてください。また、ロームのEnOcean特設ページには、製品やサポートに関する詳細情報があります。

キーポイント:

・EnOcean無線通信技術は、世界中の多くの建物で利用されている。

・EnOcean無線通信技術を利用することで、設計の自由度が高まり、省エネ、環境保護、コスト低減が可能。

・日本国内においても採用が進んでいる。