Sub-GHz無線|基礎編

無線システム検討へのヒント

2018.12.25

この記事のポイント

・無線システムではパケットロスが発生するので、パケットの再送を前提にするシステムにしておく。

・電池駆動システムの受信に関する消費電力を削減するには間欠受信にする必要がある。

・無線通信は盗聴される可能性があるので、特に到達距離が長いSub-GHzの場合にはセキュリティには十分な注意を払う。

・無線通信デバイスを提供してるメーカーサイトの技術資料、情報、サポートツールをまずは利用する。

無線開発の基礎知識として様々な内容を取り上げてきましたが、今回は無線システムの検討において、いくつかのヒントを記します。基本的には、有線通信との違いがポイントになります。

無線システム検討へのヒント

●無線システムではパケットロスが発生する

有線通信では、ほとんどパケットロスが発生しませんが、無線システムである限り干渉など周辺の影響を受けることは避けられません。ノイズの干渉により容易に無線パケットは壊されるので、パケットの再送を前提にするシステムにしておく必要があります。

また、Sub-GHz無線のような到達距離が長いシステムを組む場合は、それぞれの置かれた環境条件も異なるので、送信機の付近ではノイズの干渉がない周波数帯を使っても、受信機の周りではノイズが多い周波数になっているケースも考えられます。

●電池駆動システムは間欠受信にする

電池駆動システムにおいて、有線通信の感覚で、常時、受信状態でパケットの到達で割り込みが入るようなシステムを前提にしてしまうことがあります。確かに、無線の場合は電波の有無ですら受信状態にしないと分かりません。しかしながら、無線を常に受信状態にするとかなり大きな消費電流を常時消費することになるため、電池駆動システムを常時受信状態にするとシステムの稼働時間を著しく短くしてしまいます。したがって、電池駆動無線システムでは、受信期間をできるだけ短くする間欠受信にできるシステム構成や通信プロトコルにする必要があります。

●無線通信は盗聴される可能性がある

無線通信は壁の向こう側にも届いてしまうので、有線通信においても当然ですが無線通信はさらに盗聴や成りすましに注意を払う必要があります。特に、到達距離が長いSub-GHzの場合には、他の距離の短い無線方式より一層のセキュリティに関する注意が必要です。

●無線通信デバイスメーカーが提供する技術情報やサポートツールを利用する

無線通信デバイスを提供しているメーカーは、技術情報、開発・評価プラットフォーム、サンプルソフトウェアなど様々なサポートを提供しています。設計開発の最初のステップとしては、そういったメーカーのツールなどを最大限に利用するのがよいかと思います。

この「Sub-GHz無線の基礎知識」のベースになっているラピスセミコンダクタでも、技術者のためのサポートサイトを用意しており、様々な資料などを提供していますので利用してください。

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