Sub-GHz無線|基礎編

通信フォーマット:ネットワーク層とアドホックネットワーク

2018.10.16

この記事のポイント

・ネットワーク層では基本的に以下が規定されている。
 -データの送信先/送信元を識別できるアドレスの割り当て方法(アドレッシング)
 -送信先への経路の選択方法(ルーティング)
 -選択した経路へデータ(パケット)を送信方法

・アドホックネットワークとは、無線端末同士でネットワークを構築し、マルチホップにより応用範囲が飛躍的に広がる可能性があるネットワーク。

前回説明したデータリンク層(MAC層)に続く第3層のネットワーク層、関連して近年話題になっているアドホックネットワークについて説明します。

ネットワーク層のフレームとは

ネットワーク層は、OSI参照モデルの7階層の中の第3層(レイヤー3)です。第1層の物理層と第2層のデータリンク(MAC)層のプロトコルによって接続されている複数のネットワークにおいて、データの送信先/送信元を識別と通信経路の選択を担います。ネットワーク層では、基本的に以下が規定されています。

・複数のネットワーク上において、データの送信先/送信元を識別できるアドレスの割り当て方法(アドレッシング)
・送信先への経路の選択方法(ルーティング)
・選択した経路へデータ(パケット)を送信方法

ネットワーク層がアドレッシングやルーティングを行うことで、第4層(トランスポート層)やそれ以上の層は目的となる機器やレイヤとのデータ通信が可能になります。MAC層の1ホップでは届かない端末を特定するために、IPアドレスなどのMACアドレス以外のネットワーク層の端末IDで管理することがあります。

ネットワーク層のヘッダは、送信先/送信元のアドレスなどです。ネットワーク層の「ヘッダ+セグメント」または「ヘッダ+データグラム」から構成されるPDUは「パケット」と呼びます。

ネットワーク層のフレーム例

アドホックネットワークについて

アドホック(Ad-hoc)ネットワークは、バックボーンネットワークなどインフラ設備にたよらず、一時的に無線端末同士が相互接続することより構築するネットワークのことで、マルチホップ通信技術を用いて基地局がなくても他の端末を中継しながら通信エリアを拡大できるというメリットを持っています。Ad-Hocとはラテン語で、「その場限りの」という意味です。

アドホックネットワークの利用分野としては、インフラを必要としないことから災害時の連絡網、車両間のような移動体同士の接続、センサネットワーク、シーケンサなどでの応用が見込まれています。

アドホック無線ネットワーク

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