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Sub-GHz無線開発の基礎知識

無線特性の用語:受信感度と選択度

「無線特性の用語」の第4回は、「受信感度」と「選択度」です。どちらも、受信性能を示す重要なパラメータです。引き続きこの章は、ビギナーの基礎として、用語の意味を理解する目的の内容になっています。

受信感度(Receiver Sensitivity/Rx Sensitivity/RF Sensitivity)

受信感度は、受信性能を示す重要なパラメータです。どのくらい弱い電波まで受信できるかという能力を表すもので、決められた誤り条件を満たす最小の入力レベルです。単位は、dBmを使い、受信電力が1mWのときを0dBmとして相対的な電力で表します。

誤り条件としては、ビットエラーレート(BER/バー)やパケットエラーレート(PER/パー)が用いられます。以下に、よく使われる条件の例を示します。

  • BER=1%:100ビットの送信で1ビット誤る
  • BER=0.1%:1,000ビットの送信で1ビット誤る(BER=1%より厳しい条件)
  • PER=1%:100パケット送信で1パケットを誤る

当然ながら%値が小さくなると、誤る率(エラーレート)が低くなるので、厳しい、つまり受信感度が高く性能が良いことになります。

外来ノイズが十分に小さいという条件においては、受信感度が良いほど弱い電波でも受信できることになります。受信感度は、最小入力レベルを表す値なので、マイナスの数値が大きいほど性能が良いことを示しています。例えば、-100dBmのものと-120dBmのものがあれば、-120dBmの方がより弱いレベルを受信できる=受信感度が高いので、性能が良いということになります。

受信感度を比較する場合の注意事項として、同一条件の値であることを確認することが重要です。例えば、同じ-120dBmとあっても、BERが1%と0.1%の条件では、BER=0.1%の方が性能が良いことになります。

選択度(Selectivity)

選択度は、受信感度と並ぶ受信性能を示すパラメータです。受信機が妨害波(不要波)をどの程度分離して、目的の信号(希望波)を受信することができるかという能力です。妨害波レベルを希望波レベルとの比で示すので、単位はdBです。

妨害波の定義により、選択度には3つの呼称があります。

  • 隣接チャネル選択度:隣のチャネル帯域の妨害波
  • 次隣接チャネル選択度:二つ離れたチャネル帯域の妨害波
  • 同一チャネル選択度:受信帯域と同じ帯域の妨害波(Co-Channel/コチャネル耐性とも呼ばれる)

隣接チャネルおよび次隣接チャネル選択度は、希望波と帯域が異なるので希望波より大きな値になります。同一チャネル選択度/Co-Channel耐性は同じ帯域においてという定義であるため、妨害波が希望波より大きいレベルだと受信は無理なので、妨害波は希望波より小さな値になります。

以下に、「隣接チャネル選択度=30dB」とあった場合、それがどういうことか波形を使って説明します。イメージしやすいように、この例は無変調波(CW:Carrier Wave)で示しています。実際には変調された信号になります。

隣接チャネル選択度=30dBの意味

左の波形図は、希望波に隣接するチャネルに存在する妨害波のレベルが30dB、つまり、希望波に対して1,000倍の強さであることを示しています。規定の誤り条件がBER=0.1%だとすると、「隣接チャネル選択度=30dB」の能力がある受信機は、この誤り条件を満たすことができます。しかしながら、右の例のように妨害波40dB、希望波の10,000倍の強度がある場合には、この誤り条件を満たすことはできなくなってしまいます。簡単にいうと、「隣接チャネル選択度=30dBの選択度の受信機が誤り条件を満たすことができるのは妨害波レベルが30dBまで」という意味になります。

キーポイント:

・受信感度と選択度は、受信性能を示す重要なパラメータ。

・受信感度は、どのくらい弱い電波まで受信できるかという能力であり、決められた誤り条件を満たす最小の入力レベルで単位はdBm。

・選択度は、受信機が妨害波をどの程度分離して希望波を受信することができるかという能力で、妨害波レベルを希望波レベルとの比で示すので単位はdB。


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