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Sub-GHz無線

Sub-GHz無線開発の基礎知識

無線特性の用語:搬送波周波数と周波数精度

前回まではSub-GHz無線の概要を説明してきましたが、ここからは「Sub-GHz無線開発の基礎知識」と題して、「無線特性に関する用語」、「無線設計のポイント」、「通信フォーマット」などについて説明して行きます。

今回は、「無線特性の用語」の1回目として、「搬送波周波数と周波数精度」について説明します。無線になじみの薄い人には、無線に関する用語や数値の単位などは、とっつきにくい印象があると思います。考え方はいろいろありますが、スタート時点で使われる用語の意味をきちんと理解することは非常に大事だと思います。無線に限らず、用語の意味を理解しない限り先へは進めません。すでにご存じの内容や教科書的な話が出てくると思いますが、基礎として確認いただければと思います。

搬送周波数(Carrier frequency)

文字通り、搬送波の周波数です。搬送波は変調されることで情報を含んだ電波として送信に利用されるものです。

搬送波周波数のことを、チャネルがあるアプリケーションなどではチャネル周波数、他にもセンター周波数、送信周波数などと呼ぶことがあります。

周波数精度(Frequency accuracy)

精度、誤差、正確度といった言葉には、JISなどが定義している正確な意味があります。ここで、説明したいことはそれではなく、実際の場において「周波数精度」という言葉が出たら、それは何を意味しているかをわかっていただければと思います。

周波数精度は、通常は公称周波数の誤差範囲/許容差のことを言いますが、所望する周波数に対する実際の周波数との差をもって「精度はxx%」ということもあります。単位には、一般にppm(百万分率)が使われます。単純な例では、100MHzのクロックの精度が最大±10ppmであるとするなら、得られる周波数は100MHz±1kHの範囲の周波数になります。また、逆に公称周波数が100MHzで、実際の周波数が100,000,900Hzだったとすれば、精度(この場合は誤差ということが多いと思う)は+9ppmということになります。

先に説明した搬送波周波数の精度は重要です。搬送波を変調して送信し、受信した電波を同じ搬送波周波数を使い復調するわけですから、変調と復調に使う搬送波周波数の精度/誤差は問題になる場合があります。

実際の搬送波周波数は、入力クロック(水晶発振回路、TCXOなど)をF倍することで生成します。入力クロックの精度/誤差は、搬送波周波数に同じ割合で表れます。以下に、実際の例を示します。

SG_3_error

所望の搬送周波数は426MHzです。マスタークロックを26MHzとすると、Fを16.385倍として426MHzの搬送波を作ります。例えば、マスタークロックの周波数が、26,000,780Hz(26メガ780ヘルツ)だとすると、780Hz=+30ppmの誤差(ズレ)になります。このマスタークロックを16.385倍して作った搬送波には、同じく30ppm分の誤差が含まれます。上記の計算が示す通り周波数の差としては+12.8kHzになり、波形図の黄色のトレースに対して緑のトレースが30ppm分の誤差を含んだ波形になります。そのまま、30ppm分シフトしているのが見て取れます。

現実問題として、精度0%、つまり誤差なしというのは基本的にありませんので、どの範囲の精度/誤差を許容できるかが検討事項になります。

キーポイント:

・Sub-GHz無線開発の基礎値知識として、無線特性の用語を理解する。

・搬送波周波数はデータを送る周波数で、搬送波を変調することでデータを送信する。

・周波数精度は搬送波周波数の精度。所望の周波数からのズレ、誤差のことで、通常ppmを使って表す。


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