IoT技術情報サイト

2016.11.15 Bluetooth®

AFH(Adaptive Frequency Hopping)

Bluetooth® v4の無線方式

  • Facebook
  • Twitter

今回は、前回の「概要」で特徴の一つとして挙げた、AFH(Adaptive Frequency Hopping)について説明します。

Bluetoothと無線LAN(Wi-Fi)の干渉

Bluetoothは、ISMバンドの一つである2.4GHzの周波数帯域を使います。ISMバンドは、産業(Industrial)、科学(Scientific)、医療分野(Medical)で汎用的に使うために割り当てられた周波数帯域で、ISMはそれぞれの頭文字から来ています。2.4GHz帯を利用する無線通信はBluetoothの他に、無線LAN(Wi-Fi)、ZigBee、アマチュア無線、DSRCなど、身近なところではコードレス電話や電子レンジがあります。このように、2.4GHz帯は多くの無線通信が利用しているので、干渉が問題になることが少なくありません。

その中でも、Bluetoothと無線LAN(Wi-Fi)は、同じ室内での利用はもちろん、スマートフォンやタブレット、ノートPCなどでは、一つの小型機器の中にBluetoothと無線LANが共存していることから、Bluetoothと無線LANの干渉は大きな問題になります。

実際のところ、Bluetoothと無線LANの干渉は、この2者の共存が始まった当初から問題となっており、2003年11月に公開されたBluetooth v1.2において、干渉を軽減する技術であるAFHが導入されました。

Bluetoothと無線LANは、同じ2.4GHz帯を使うのですが、帯域の使い方が異なります。無線LANは、チャネルの占有周波数幅がBluetoothに比べて大きいのに対して、Bluetooth v4では40チャネルが80MHz幅に割り当てられているので、占有するのは2MHzだけです。さらに、AFHによりホッピングするので、わずかな時間しか占有しません。(AFHの説明に使っている干渉イメージ図参照)

また、電波の強さも大きく異なります。一般的には、無線LANの送信出力はBluetoothの10倍以上あります。簡単に言えば、Bluetoothと無線LANがぶつかると、ほとんどの場合Bluetoothが負けてしまします。

AFH(Adaptive Frequency Hopping)

AFHは、エラーが頻発するチャネルを検出し、そのチャネルを使わないようにホッピングします。つまり、無線LANのチャネルが占有している帯域を回避するホッピングパターンを作りだします。このように、状況に適応することからAdaptive(適応型) Frequency Hoppingと呼ばれています。

以下の図は、AFHの例です。

BT_5_ch_01

上の図は、Bluetooth v4の例で、80MHzの幅に40チャネル分のスペクトラムが出ていると見てください。

これに無線LAN(Wi-Fi)が干渉すると、無線LANのチャネル幅の帯域が占有されてしまいます。

これに対してBluetoothは、AFHによって干渉がないチャネルを選択し、隙間を縫うようにして通信を行います。

BT_5_ch_02

次の図は同じことを示していますが、使えるチャネルのマッピングイメージです。Bluetooth v4が通信に利用するチャネルは40チャネルの内0~36までで、ある時間において37チャネルが選択可能なことは前回説明した通りです。左側の図は、干渉がなく、あるタイミングで37チャネル全選択可能な状態を示しています。縦軸のCh indexは、37個のチャネルを表しています。中央の図は無線LANのチャネル1とチャネル11が干渉している状態を示しており、Bluetoothが使うのは無線LANに占有されていないチャネルになります。右の図はさらに無線LANのチャネル6の干渉を受けた状態を示しており、Bluetoothは残されたチャネル間をAFHにより行き来しながら通信を行います。

BT_5_index

このようにして、Bluetoothは無線LANとの干渉を、ほぼ回避することが可能になっています。

キーポイント:

・Bluetoothと無線LAN(Wi-Fi)は、同じ2.4GHz帯を使うので干渉が起こる。

・BluetoothはAFH技術により、無線LANをはじめ他との干渉を避けながら通信を行う。

Bluetooth low energyの基礎