無線通信|基礎編
無線通信の基礎 ーまとめー
2017.10.31
15回にわたり話を進めてきた「無線通信の基礎」ですが、今回をもって終了となります。今回は最終回として、いままでもまとめを行います。各記事にリンクを貼ってありますので、確認したいことがあれば利用してください。
無線通信の基礎
この記事のポイント
・無線通信は非常に重要で必要不可欠な技術。
・数々の無線通信がすでに身の回りに存在し、IoTに向けても無線の基礎は必要。
▶ 電波とは
この記事のポイント
・電波は電磁波のひとつで、電波法により「300万メガヘルツ以下の周波数の電磁波」と定義されている。
・電波は媒体がない真空でも伝わり、自由空間での速度は1秒間に約30万kmで光と同じで、速度は周波数に依存しない。
・電波は電界と磁界が連鎖反応を起こし、それが継続し受け側に到達する。
▶ 電波の伝わり方:減衰
この記事のポイント
・電波は、距離dの2乗に比例して減衰する ⇒ 距離が2倍になると電波の電力密度は1/4になる。
・電波は、波長λの2乗に反比例して減衰する ⇒ 同じ送信出力では、波長が長いほど減衰は小さく伝搬距離は長くなる。
・電波は、周波数の2乗に比例して減衰する ⇒ 同じ送信出力では、周波数が低いほど減衰は小さく伝搬距離は長くなる。
▶ 電波の伝わり方:反射/透過、回折、干渉
この記事のポイント
・電波は、反射、透過、回折、干渉といった影響を受ける。
・電波の周波数が低い程、回折によって電波が影になるところにも届きやすい。
・電波は、マルチパスフェージングによって受信磁界強度が大きく変わる。
▶ 電波の送信と受信:アンテナと基本回路
この記事のポイント
・半波長(λ/2)ダイポールアンテナはアンテナの基本で、共振を利用して最大の送信/受信電力を得る。
・小型化のために接地型λ/4モノポールアンテナが多く使われている。
・アンテナの特性を見るには、アンテナ指向特性利得とVSWRが重要。
・送信/受信回路構成の概要は理解する。
この記事のポイント
・変調には一次変調と二次変調があり、二次変調はチャネルの多重化や妨害耐性を高める目的で、一次変調にさらに変調を加えるもの。
・代表的な一次変調方式には、ASK、PSK、FSK、QAMがある。
・二次変調方式として、拡散方式と多重化方式がある。
・拡散方式としては、直接拡散(DS)と周波数ホッピング(FH)の2つが代表的。
・多重化方式としては、時分割多重(TDMA)、周波数分割多重(FDMA)、符号分割多重(CDMA)がある。
無線利用と周波数割り当て
この記事のポイント
・2.4GHz帯、5GHz帯、400MHz帯、900MHz帯の無線機器台数は、上記のデータでは2.4GHz帯が約8割を占める。
・Sub-GHz無線は現状わずかだが、今後に期待できる。
・総務省電波利用ホームページには、電波利用に関する様々な情報がある。
この記事のポイント
・無線通信においては、それぞれに決められた周波数帯が割り当てられている。
・どの周波数の無線通信を利用するかは、アプリケーションの要求を考えて選択することになる。
・使用する帯域だけではなく、周囲の電波利用状況を確かめる必要がある。
無線通信規格の基礎
▶ 電波利用の原則
この記事のポイント
・無線通信は国際的および国内的に周波数を分配および管理する技術基準や規格が策定されている。
・無線機器が準拠すべき技術的要件(技術基準)を記載したものが標準規格。
・技術基準に適合していると認められることを証明するのが技術適合証明。
・技術適合証明を得るには、登録証明機関の試験に合格する必要がある。
▶ 免許不要の無線局
この記事のポイント
・「免許不要の無線局」は電波法第4条により定められており、さらに電波法施行規則第6条により詳細が定められている。
・「免許不要の無線局」の中の「小電力の特定の用途に使用する無線局」には、Sub-GHz無線やWi-SUN通信が該当する「特定小電力無線局」が含まれる。
・同じく「小電力の特定の用途に使用する無線局」には、Bluetoothが該当する「小電力データ通信システムの無線局」も含まれている。
▶ 標準規格
この記事のポイント
・標準規格は、電波法に基づく主に放射電波の技術要件を定めたもの。
・標準規格には、通信プロトコルなどの定義は含まない。
この記事のポイント
・登録証明機関で技術適合証明試験を受ける際の試験項目が決まっている。
・試験のために無線機器に試験を行うためのテストインタフェースを持たせる必要がある。
この記事のポイント
通信規格、通信プロトコル、通信プロトコルスタックが意味することを理解する。
この記事のポイント
・プロファイルは、通信におけるサービスの提供や利用を規定するもので、目的ごとに通信プロトコルやその使い方を定めている。
・Wi-SUNの持つプロファイルは、物理層とMAC層を基とし、第3~7層までの仕様によって異なるプロファイルが成立している。
この記事のポイント
・無線方式に対して、国際規格、通信プロトコルが定められている。
・無線方式の特長と利用されているアプリケーションとの関係を考えてみる。
以上。