無線通信|基礎編

無線周波数割り当て

2017.02.28

この記事のポイント

・無線通信においては、それぞれに決められた周波数帯が割り当てられている。

・どの周波数の無線通信を利用するかは、アプリケーションの要求を考えて選択することになる。

・使用する帯域だけではなく、周囲の電波利用状況を確かめる必要がある。

前回は、無線周波数に対する無線機器の台数と割合について説明しました。今回は、無線周波数の割り当てについて確認したいと思います。今回の意図も、ここで取り上げている特定小電力無線、Bluetoothや無線LANなどの周波数帯が、他も含めた無線周波数の中でどのようなポジションなのかを知ってもらうことです。

無線周波数割り当て

無線通信においては、それぞれに決められた周波数帯が割り当てられています。特定小電力無線、Bluetooth、無線LANなどの周波数帯が、どういったポジションであるのかを確認したいと思います。この図は、400MHz帯、900MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を周波数軸にマップしたものです。また、周波数による特徴も示してあります。

無線通信は使う周波数によって特性が異なることは、「無線通信の基礎-電波の伝わり方:減衰」と「反射/透過、回折、干渉」で説明した通りです。周波数が高いほど情報量を多くすることができますが、伝送距離が短くなり障害物の影響も受けやすくなります。周波数が低いと逆の傾向になります。どの周波数の無線通信を利用するかは、アプリケーションの要求を考えて選択することになります。

400MHz帯は、伝送距離は長くとれますが低速な伝送しかできません。

700~900MHz帯は障害物に強く、400MHz帯より高速な伝送が可能です。利用のしやすさからプラチナバンドとも呼ばれます。この帯域は、TVの地上波デジタル化や携帯電話の集約にともなって大幅に再編されました。

2.4GHz帯は、ISMバンドとして開放され、全世界で使用可能な帯域です。そのため、多くの機器が使用しており干渉が多い帯域です。また、回折能力が低く回り込みは少ないので障害物の影響を受けやすくなります。

5GHz帯(5.2GHz帯と5.6GHz帯)は、帯域幅が広くとれるため2.4GHz帯よりさらに高速な伝送が可能ですが、直進性がより強いことから障害物に弱くなります。また、各種レーダー(気象レーダーなど)と割り当てが重なっています。

400MHz~960MHzの間に存在する無線

下の図は、特定小電力無線帯域の400MHz~960MHzの間に存在する無線を示した図です。出展は、前回も紹介した「総務省 電波利用ホームページ 使用状況の詳細」です。文字が小さいので、クリックすると拡大します。

このように、この帯域には様々な無線が存在することがわかります。したがって、無線通信では使用する帯域だけではなく、周囲の電波利用状況を確かめる必要があります。大出力の電波を出す機器が周囲にある場合、フィルタなどで減衰させないと影響を受けてしまいます。近くの無線には気をつけないと、思ったように通信できない可能性があります。

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