Bluetooth®|基礎編

変更点③:8倍の通知データ容量

2021.05.11

この記事のポイント

・Bluetooth 5.0の「8倍の通知データ容量」は、アドバタイズパケットフォーマットのペイロード長を拡張したことで実現。

・また、セカンダリアドバタイジングチャネルの導入により、チャネル利用効率の向上を図っている。

今回は、Bluetooth 5のBluetooth 4からの主な変更点の3つ目、「8倍の通知データ容量」についてです。

Bluetooth 5変更点③:8倍の通知データ容量

Bluetooth 5ではアドバタイジング通信が強化され、ビーコンや電子タグなどに格納される一方向・不特定多数に発信できる情報の大きさが8倍に増えました。

Bluetooth アドバタイジング通信のイメージ

アドバタイズパケットフォーマットのヘッダ内のLengthパラメータサイズが8ビットに拡張されたことにより、Bluetooth 4.2までは最大37octetsであったペイロード長が、Bluetooth 5.0以降では最大255octetsになりました。これにより送信できるデータ量が約8倍になり、長いURLや文章の文字列をブロードキャストすることが可能になりました。

Bluetooth 5のアドバタイズパケットフォーマット

ただし、パケットサイズ拡張が適用できるのは、セカンダリアドバタイジングチャネルのみとなります。

セカンダリアドバタイジングチャネルの導入によるチャネル利用効率の向上

Bluetooth 4.2までは、アドバタイジング動作にチャネル37、38、39の3つのチャンネルのみを使用していました。そのため、パケットサイズが大きい場合、アドバタイジングチャネルの占有時間が長くなり、チャネル利用効率がよくありませんでした。この点に関しBluetooth 5.0からは、プライマリチャネル(チャネル37、38、39)以外のチャンネルをセカンダリチャネル(チャネル0~36)として使用できるようになりました。これにより、サイズの大きいアドバタイズパケットデータを、効率よく伝えることができるようになりました。

Bluetooth 5のセカンダリアドバタイジングチャネルの導入

次回は、4つ目の変更点である「高精度な方向検知機能」に関する説明を予定しています。