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RGSシリーズ:AEC-Q101準拠、車載向け1200V耐圧IGBT

車載用IGBTには導通損失低減と
高耐圧化要求が高まる

注目ワード
  • 車載信頼性規格AEC-Q101
  • 4機種
  • 自動車の電動化
  • 電動コンプレッサ
  • PTCヒータ
  • 動作周波数が低いことからIGBTが主流
  • 電力を消費し航続距離に影響
  • 高電圧(800V)バッテリが搭載
  • 1200V耐圧のIGBT需要
  • 導通損失(コレクタ-エミッタ間飽和電圧:VCE(sat)
  • 約10~15%の低減
  • 1200V耐圧品4機種
  • IGBT単体と還流ダイオード(ファストリカバリダイオード)内蔵タイプ

新たに開発された「RGSシリーズ」は、車載信頼性規格AEC-Q101に準拠した1200V耐圧IGBTです。今回リリースされたのは4機種で、業界トップクラスの低導通損失を実現したことで、アプリケーションの小型化と高効率化が可能です。また、すでに量産中の650V品と合わせて、11機種の豊富な車載向けIGBTのラインアップが用意されています。

AEC-Q101に準拠した車載向け1200V耐圧IGBT「RGSシリーズ」。パッケージへTO-247N

駆動周波数が低い車載アプリケーションではIGBTが主流だが、高効率化と高耐圧化が進む

1200V耐圧の車載対応IGBTの開発は、近年の自動車の電動化が背景にあります。エンジン搭載車のエアココンプレッサの動力源はエンジンでしたが、電動車の場合はモータ動力の電動コンプレッサを使用します。また、車内暖房はエンジンの廃熱の利用から、電気エネルギーを使うPTCヒータの搭載も増えています。PTC(Positive Temperature Coefficient:正温度係数)ヒータは、温度が上がると抵抗値も上がる性質を利用した自己制御を行うヒータで、温度が上限に達して安定すると、少ない消費電力で安定するのも特長です。

これらのアプリケーションのインバータ回路やスイッチ回路に使用されるパワーデバイスは、動作周波数が低いことからIGBTが主流となっています。コンプレッサやヒータがバッテリの電力を消費し航続距離に影響を与えるので、IGBTの高効率化が求められます。

また、電気自動車は航続距離を伸ばすため、搭載バッテリの容量が増加傾向にあります。特に欧州では、高電圧(800V)バッテリが搭載されるケースが増えており、パワーデバイスにはより高耐圧で低損失であることが求められています。そのため、従来650V耐圧のIGBTに加えて、1200V耐圧のIGBT需要も高まっています。

1200V耐圧IGBT「RGSシリーズ」の特長

RGSシリーズは、車載信頼性規格AEC-Q101に準拠した1200V耐圧のIGBTで、上述の電動コンプレッサやPTCヒータなどのアプリケーションに適しています。アプリケーションの小型化と高効率化のために、業界トップクラスの低導通損失と交代圧で短絡耐量が保証された高信頼性を有しています。

AEC-Q101に準拠した車載向け1200V耐圧IGBT「RGSシリーズ」の特長

■業界トップクラスの低導通損失を達成
デバイス構造の最適化により、1200V耐圧で導通損失(コレクタ-エミッタ間飽和電圧:VCE(sat)を1.70V(typ、Tj=25℃)に低減しており、他社同等品(1200V、40A品)と比べ約10~15%の低減を実現しました。特に電動コンプレッサやPTCヒータでは駆動周波数が低いため、スイッチング損失より導通損失の影響が大きいことから、高効率化に寄与します。

■豊富なラインアップで、幅広いニーズに対応
今回リリースした1200V耐圧品4機種と、650V耐圧品と合わせて11機種がラインアップされています。IGBT単体と還流ダイオード(ファストリカバリダイオード)内蔵タイプ両方が用意されています。

AEC-Q101に準拠した車載向け1200V耐圧IGBT「RGSシリーズ」のラインアップ一覧

■アプリケーション回路例

電動コンプレッサの例は、モータのドライバとして低損失高耐圧IGBTを使用しています。PTCヒータの例では、PTC素子通電のためのスイッチとして使用しています。

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