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ラインアップの拡充が続く「フルSiCパワーモジュール」

大電流化を実現した技術ポイント

注目ワード
  • パッケージの寄生インダクタンス
  • サージ
  • 新パッケージのGタイプ
  • スイッチング損失
  • 高い放熱性能
  • ベースプレート
  • ゲートドライバボード

ロームは、産業機器用の電源、太陽光発電パワーコンディショナーやUPS等のインバータ、コンバータ向けに、1200V耐圧の400Aおよび600AのフルSiCパワーモジュール「BSM400D12P3G002」、「BSM600D12P3G001」を開発しました。

ロームは2012年3月に世界で初めて、内蔵するパワー半導体素子をすべてSiCで構成したフルSiCパワーモジュールの量産を開始しました。以来、1200V、300Aまでの製品を展開し、様々な分野で採用が進んでいます。今回、新パッケージの開発により、IGBTモジュール市場の主要な電流定格である100A~600AをカバーするフルSiCパワーモジュールのラインアップを拡充します。これらのモジュールによって、一般的な同等電流定格のIGBTモジュールアプリケーションの大幅な高効率化と小型化が可能です。

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パッケージの内部インダクタンスを大幅に低減

電流定格が大きいパワーモジュールは、パッケージの寄生インダクタンスによるスイッチング時のサージ電圧が非常に大きくなります。フルSiCパワーモジュールの大電流化に際しては、SiCパワーデバイスの特長である高速スイッチング性能を最大限に活かすためにも、このサージを低く抑える寄生インダクタンスを低減した新しいパッケージを開発する必要がありました。

今回開発した新パッケージのGタイプは、内蔵するSiCデバイスの配置や配線パターン、端子構造などを最適化することで、従来のパッケージと比較して、パッケージの内部インダクタンスを約23%低減しました。

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これにより、従来パッケージに対してサージ電圧を27%低く抑えることに成功し、400Aおよび600A定格のフルSiCパワーモジュールを製品化することができました。加えて、同等のサージ電圧条件下では、新パッケージによりスイッチング損失を24%低減することが可能です。

パッケージの放熱性能を大幅に向上

600Aの大電流化を実現するには、内部インダクタンスの低減に加え、高い放熱性能も必要になります。新製品は、モジュールの放熱性能に大きく寄与するベースプレート部分の平坦性を向上させることにより、ベースプレートと外付けの放熱器や冷却機構間の熱抵抗を57%削減することができました。

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フルSiCパワーモジュール製品ラインアップ

品名 絶対最大定格 インダクタンス
(nH)
パッケージ サー
ミスタ
内部回路図※
VDSS
(V)
VGS
(V)
ID(V)
[Tc=60°C]
Tj max
(°C)
Tstg
(°C)
Visol(V)
[AC 1min.]
BSM080D12P2C008 1200 -6
~22
80 175 -40
~125
2500 25 C type
45.6
×
122
×
17mm
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BSM120D12P2C005 120
BSM180D12P3C007 -4
~22
180
BSM180D12P2E002 -6
~22
180 13 E Type
62
×
152
×
17mm
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BSM300D12P2E001 300
BSM400D12P3G002 -4
~22
400 10 G Type
62
×
152
×
17mm
BSM600D12P3G001 600

※Chopperタイプもラインアップ。

新製品に関しては、営業窓口またはこちらからお問い合わせ願います。

また、簡単にフルSiCパワーモジュールの評価ができるゲートドライバボードも用意しています。

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