電源設計の技術情報サイト

技術資料ダウンロード

シミュレーション

電子回路シミュレーションの基礎

SPICEデバイスモデル:ダイオードの例 その2

前回の「その1」に続き、ダイオードのSPICEデバイスモデルを例に、デバイスモデルの説明を続けて行きます。

SPICEデバイスモデル:ダイオードデバイスモデルのパラメータ調整

デバイスモデルはパラメータを設定するので、逆に記述されている設定値を書き換えるとそれがシミュレーション結果に反映されるのは容易に想像できると思います。以下に、前出のダイオードデバイスモデルのVFを調整した例を示します。

SPICEダイオードデバイスモデルのパラメータ変更とシミュレーション結果への反映。

ダイオードのVFを調整するには、IS(飽和電流)を変更します。IF=IS*exp(Vd/(N*Vt)-1) これは「その1」で示したIFの式ですが、式からISの増減がIFに比例することがわかると思います。グラフは、ISの値を10倍と1/10にした場合のIF-VF特性のシミュレーション結果です。VF=0.7VのIFが10倍と1/10になっています。

パラメータとダイオードの特性の関係の理解には、モデル式とパラメータを理解している必要があります。

SPICEデバイスモデルの制限

デバイスモデルは、基本的にモデルの理論式の特性を示します。したがって、理論式では表しきれない特性はシミュレーション結果に反映されません。シミュレーション結果はこの点を念頭において解釈する必要があります。

このグラフは、先ほどのとは別のダイオードのIF-VF特性です。左はデータシートに掲載されている実際のダイオードの代表特性で、右はこのダイオードのデバイスモデルによるシミュレーション結果です。

SPICEデバイスモデルの制限。実際のIF-VF特性とシミュレーション結果の違い。

IF-VF特性の直線性を比較すると、シミュレーション結果は理論式に基づいた結果であることがイメージできると思います。

Key Points:

・SPICEモデルの形式には、「デバイスモデル」と「サブサーキットモデル」の2種類がある。

・デバイスモデルのパラメータ値を変更することで特性を調整できる。

・デバイスモデルは理論式に基づくので、シミュレーションは式が表せる範囲の結果になる(実際と異なる場合がある)。


SPICEモデルのダウンロードはこちら