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2017.02.10 Siパワーデバイス

MOSFETとは-高耐圧スーパージャンクションMOSFETの種類と特徴

Siトランジスタとは

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前回、近年の主要パワートランジスタである、Si-MOSFET、IGBT、SiC-MOSFETのポジショニングを確認し、近年の高耐圧Si-MOSFETの代表格であるスーパージャンクションMOSFET(以下SJ-MOSFET)の概要を説明しました。今回は、SJ-MOSFETの具体例として、ロームのラインアップとその特徴について説明します。

SJ-MOSFETの種類

ロームの例では、SJ-MOSFETはノイズ、オン抵抗、高速性、そして独自構造などで種類分けされています。最初に、どの様に分けられているか全体像を示します。

SJ-MOSFETの種類 全体図

この図は、標準タイプのANシリーズからの展開を示しています。例えばANシリーズをさらに低ノイズにしたのがENシリーズで、それを高速化したのがKNシリーズとなります。

今回は、標準タイプと高速タイプの開発背景と特徴を説明します。

標準SJ-MOSFET:ANシリーズ ※現在新規設計に非推奨

ANシリーズは、プレーナーMOSFETより大幅にドレイン-ソース間オン抵抗RDS(on)とゲート総電荷量Qgを低減する目的で、第一に開発されたSJ-MOSFETです。プレーナーMOSFETに対し、RDS(on)を50%、Qgを40%削減しています。特性面では標準的なポジションにあります。


低ノイズSJ-MOSFET:ENシリーズ

SJ-MOSFETはオン抵抗が低く、スイッチングスピードが速いという特徴をもっていますが、その高速性のためにプレーナー型に比べノイズが大きいという課題がありました。それを改善したのがENシリーズです。プレーナー型の低ノイズ特性とSJ-MOSFETの低オン抵抗特性を組み合わせたタイプで、プレーナー型の低オン抵抗代替品の位置付けです。

ノイズ比較のグラフは、標準タイプのANシリーズおよび他社製SJ-MOSFETとの比較で、赤で示したENシリーズがより低ノイズであることがわかります。また、オン抵抗の比較においては、プレーナー型に対して80%、ANシリーズに対して15%の低減を実現しています。

高速SJ-MOSFET:KNシリーズ

KNシリーズは、ENシリーズの低ノイズ性能を維持しつつ、高速化を図ったSJ-MOSFETです。ゲート抵抗Rgとゲート-ドレイン間電荷量Qgdを低減することで、スイッチング性能を向上させました。スイッチングの高速化により、スイッチング損失を低減することができ効率を向上することが可能です。

最後に、これら3つのシリーズに関する技術情報へのリンクを示します。各シリーズの特徴を記しましたが、より理解を深めるためには、データシートの規格値や特性グラフを見るのが一番だと思います。

【標準SJ MOSFET:ANシリーズ】

【低ノイズSJ MOSFET:ENシリーズ】

【高速SJ MOSFET:KNシリーズ】

次回は、残りの2種類、Presto MOSTM 高速trr SJ-MOSFETとHybrid MOSについての説明をします。

キーポイント:

・SJ-MOSFETには特性による種類がある。

・SJ-MOSFETはプレーナーMOSFETに比べ基本的に低オン抵抗で高速であるが、低ノイズ化、さらなる低オン抵抗化と高速化が図られている。

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