ノイズ
注意点 : クロストーク、GNDラインからの回り込み
2018.11.27
この記事のポイント
・基板配線レイアウトによっては、クロストークによりフィルタ効果が低下する。
・Π型フィルタのコンデンサのGNDの取り方によっては、ノイズがGNDラインから回り込んでくる。
・これらは基板配線レイアウトを適正にすることで回避可能。
ここまで、インダクタを使用したノイズ対策として、インダクタとフェライトビーズ、コモンモードフィルタについて説明してきました。今回は、主に基板レイアウトに関連した注意点を記します。
クロストーク
クロストークは、基板配線間の浮遊容量や相互インダクタンスによって隣接する別の基板配線にノイズが結合するものであることは、「クロストークとは」で説明しました。以下はLCフィルタのパターンレイアウトと部品配置によるクロストークとその対策例です。
左のレイアウトでは、VCCラインにLCフィルタが入っていますが、フィルタ後の配線がフィルタ前のノイズを含んだ配線と隣接しているため、クロストークによりノイズが結合してフィルタ効果が低下する例です。右側は対策例で、ノイズを含むラインに隣接しないレイアウトによりノイズの結合を最小限に抑えることができます。
GNDラインからの回り込み
こちらは、Π型フィルタに使用したインダクタの前後に配置したコンデンサのGNDの取り方よってノイズの回り込みが発生する例です。左図の例では、矢印が示すようにGNDからのノイズがコンデンサを介して回り込み、フィルタの外に出てしまうことがあります。
このような場合には、ノイズを直接伝播させないために、ビア(Via)を経由してGNDプレーンに接続することでViaの寄生インダクタンスを利用する手法が効果的に働くことがあります。
スイッチング電源回路においては、基板レイアウトが非常に重要であることはよく言われる通りです。それには、レイアウトのノウハウがあります。Tech Webの「DC-DCコンバータの基板レイアウト」では、基板レイアウトの基礎が解説されていますので、併せて読んでいただければと思います。