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2018.03.27 スイッチングノイズ-EMC

コンデンサのインピーダンスの周波数特性とは?ESR、ESLとの関係

コンデンサによるノイズ対策

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前回は、スイッチング電源の入力用デファレンシャルモードフィルタには、コンデンサ、インダクタ、フェライトビーズや抵抗を用いることを説明しました。ここからは、その中からノイズ対策の基本とも言える、コンデンサとインダクタを使ったノイズ対策について説明して行きます。ここでは単純な4素子モデルを使用します。さらに高周波の共振を表現する場合には、それ以上の素子モデルを使用することがあります。

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コンデンサの周波数特性とは

コンデンサによるノイズ対策に行う場合には、コンデンサの特性をよく理解することが大切です。この図は、コンデンサのインピーダンスと周波数の関係を示したもので、コンデンサの基礎として必ず出てくる特性の1つです。

コンデンサには静電容量Cだけではなく、抵抗成分であるESR(等価直列抵抗)、インダクタンス成分のESL(等価直列インダクタンス)、静電容量と並列に存在するEPR(等価並列抵抗)が存在します。EPRは電極間の絶縁抵抗IR、もしくは電極間に漏れ電流があることと同じ意味です。IRが使われることが一般的かもしれません。

コンデンサのインピーダンスの周波数特性、および等価回路。

CとESLで直列共振回路を形成し、コンデンサのインピーダンスは図のように基本的にはV字型の周波数特性を示します。共振周波数までは容量性の特性を示しインピーダンスは低下します。共振周波数でのインピーダンスはESRに依存します。共振周波数を過ぎるとインピーダンス特性は誘導性に変わり、周波数が高くなるにつれてインピーダンスは高くなります。誘導性のインピーダンス特性はESLに依存します。

共振周波数は次の式で算出することができます。コンデンサの共振周波数の算出式。

この式は、静電容量が小さくESLが小さいコンデンサほど、共振周波数が高いことを表しています。これをノイズの除去に当てはめると、静電容量が小さくESLが小さいコンデンサほど、より高い周波数でインピーダンスが低いので、高周波ノイズの除去に優れることになります。

説明の順が前後してしまいましたが、コンデンサを使うノイズ対策は、コンデンサの「交流は通過し、周波数が高いほど通過しやすい」という基本特性を利用したもので、不要なノイズ(交流成分)を信号や電源ラインから、例えばGNDにバイパスするものです。

以下の図は、静電容量が違うコンデンサのインピーダンスの周波数特性です。容量性領域では静電容量が大きい方がインピーダンスが低くなっています。また、静電容量が小さいほど共振周波数が高く、誘導性領域においてはインピーダンスは低くなっています。

静電容量が違うコンデンサのインピーダンスの周波数特性比較。

コンデンサのインピーダンスの周波数特性について、ここまでの説明をまとめます。

  • ・静電容量とESLが小さいと共振周波数が高くなり、高周波領域でのインピーダンスが低い。
  • ・静電容量が大きいほど容量性領域のインピーダンスは低い。
  • ・ESRが小さいほど共振周波数におけるインピーダンスが低い。
  • ・ESLが小さいほど誘導性領域におけるインピーダンスが低い。

単純な話をすれば、インピーダンスの低いコンデンサはノイズ除去に優れることになりますが、コンデンサによってインピーダンスの周波数特性は異なるので、この特性は重要なチェックポイントになります。ノイズ対策としてコンデンサを選定する際は、容量ではなくインピーダンスの周波数特性で選定すると考えてください。

ノイズ対策としてコンデンサを選ぶ際には、容量としてではなくLCの直列共振回路をつなげていることを意識し、周波数特性を見る必要があります。

キーポイント:

・ノイズ対策用コンデンサの選定は、容量ではなくインピーダンスの周波数特性で選定する。

・静電容量とESLが小さいと共振周波数が高くなり、高周波領域でのインピーダンスが低い。

・静電容量が大きいほど容量性領域のインピーダンスは低い。

・ESRが小さいほど共振周波数におけるインピーダンスが低い。

・ESLが小さいほど誘導性領域におけるインピーダンスが低い。

ノイズ対策の基礎