ノイズ
スイッチング電源のノイズ対策の基本
2018.01.30
この記事のポイント
・ディファレンシャルモードノイズを低減するには、回路基板において大電流経路のループルの面積を小さくして、最適なデカップリングと入力フィルタの追加を行う。
・ノイズの発生源であるディファレンシャルモードノイズはできる限り抑えることが重要で、コモンモードノイズの低減にもつながる。
・コモンモードノイズの低減には、配線を短くしてクロストークを抑え、コモンモード経路を遮断(フィルタ)する。
前回、ノイズ対策の手順として4つのステップについて説明しました。今回から、ステップ4として挙げた「フィルタなどノイズ対策部品の追加」について解説して行きます。
スイッチング電源のノイズ対策の基本
ここまで、「コモンモードノイズ、ノーマルモードノイズとは-原因と対策」と「クロストーク」の基本的なノイズに関する説明をしてきました。以下の図は、これらのノイズとそれぞれに対する基本的対策をまとめたものです。
ディファレンシャルモードノイズ(青色)を低減するには、回路基板において大電流経路のループの面積を小さくすることに加え、最適なデカップリングと入力フィルタを追加します。ノイズの発生源であるディファレンシャルモードノイズはできる限り抑えることが重要で、これはコモンモードノイズの低減にもつながります。
一方、コモンモードノイズ(赤色)の低減には、配線を短くしクロストークを抑え、またコモンモード経路を遮断(インピーダンスを上げる)する方法をとります。
以降、図の赤色の文字で示した、フィルタ(入力フィルタおよびコモンモードフィルタ)とデカップリングについて順に説明して行きます。