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2015.12.08 伝達関数

エラーアンプ、電圧アンプ、電流アンプの伝達関数の導出

DC/DCコンバータ:各制御系に対する伝達関数の共通化

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前項までは、「伝達関数とは」という観点で、伝達関数そのものの考え方を説明してきました。ここからは、具体的な回路ブロックの伝達関数を考えていきます。まず最初に、「アンプの伝達関数」から始めます。アナログのDC/DCコンバータの多くは、エラーアンプを利用しています。したがって、アンプの伝達関数の導出が必須であることは理解いただけると思います。

この項では、「エラーアンプの伝達関数」を導出し、それをもとに一般に示されている「電圧アンプ」と「電流アンプ」の伝達関数を導出できるかを確認します。

図1

エラーアンプの伝達関数

図1は、一般的なエラーアンプブロックの例です。vinとvrefとの比較をVcとして出力するアンプです。このアンプに対して伝達関数を導出していきますが、まず破線で囲んだZ1、Zb、Ztが以下となることを確認してください。

ここから、キルヒホッフ則を用いて図1のアンプの伝達関数(Δvc/Δvin)を導出します。

この導出に用いるキルヒホッフ則を式2-1に示します。

続いて、式2-1を用いて導出した伝達関数を式2-2に示します。

式2-2は、図1のようなエラーアンプの伝達関数の一般式と扱うことができます。ここから、この式2-2を用いて、DCDCコンバータの考察において必須となる「電圧アンプ」と「電流アンプ」の伝達関数について確認します。

図2

電圧アンプの伝達関数

電圧アンプの構成例を図2に示します。そして、以下の式2-3は、電圧アンプの伝達関数としてデータシートなどに示されている一般的なものです。

先に導出した式2-2を使って、この式2-3を導出できるか確認します。以下を式2-2の条件とします。

条件に基づき式2-2を変形すると、式2-4を導出できます。

ここで、この式2-4が以下の式2-5の条件を満たすとき、式2-4は式2-6で表すことができます。

この式2-6と、電圧アンプの伝達関数として一般に提示されていると説明した式2-3を比較してみてください。式が一致することが確認できると思います。

図3

電流アンプの伝達関数

続いて電流アンプの構成例を図3に示します。同様に、その伝達関数として一般的に用いられるのが以下の式2-7です。

それでは、同じように式2-2を使って、式2-7を導出してみます。式2-2の条件は以下です。

これに基づき式2-2を変形すると、以下の式2-8を導出できます。

式2-7と比較すると、同様に式が一致することが確認できると思います。

これで、最初に導出した図1のエラーアンプの伝達関数から、電圧アンプと電流アンプ両方の伝達関数を導出できることを確認できました。

キーポイント

・アンプの伝達関数は、DC/DCコンバータの伝達関数を導出する前提として重要である。

・ここでは、導出したエラーアンプの伝達関数から、一般的な電圧アンプと電流アンプの伝達関数の導出を確認する。

DC/DCコンバータ セレクション・ガイド