DC-DCコンバータ|基礎編
追補-保護機能: 出力プリバイアス保護
2019.03.12
この記事のポイント
・同期整流降圧スイッチングレギュレータの起動時に、出力にすでに電圧がかかっているプリバイアス状態に対する保護。
・プリバイアス状態でローサイドスイッチがオンすると、過大な電流を引き込み破壊する可能性があるので、これを防止する機能。
この記事は、「スイッチングレギュレータの基礎」の「保護機能/シーケンス機能」に関する追補です。近年のDC-DCコンバータICには、この保護機能の搭載が増えてきました。
出力プリバイアス保護
DC-DCコンバータが起動する際のVoutの電圧は基本的にゼロボルトを想定しますが、回路構成や短時間での再起動などにより、起動前にVoutにある電圧が存在する、つまりゼロではないことがあり得ます。多くの場合は、Voutに接続しているCout、または負荷(給電しているICなど)のCinなどに電荷が残っている、もしくは別のルートからの漏れ電流やプルアップ抵抗からのバイアスなどによるものです。
このプリバイアスが存在した状態で、同期整流降圧コンバータのローサイドスイッチ(MOSFET)がオンすると過大な電流を引き込み、MOSFETが破壊する可能性があります。これを防ぐために、プリバイアス保護機能は出力電圧がプリバイス電圧を上回るまでローサイドスイッチをオンしないように制御します。