DC-DCコンバータ|基礎編
長所と短所、アプリケーション
2014.05.27
この記事のポイント
・長所/短所をよく理解上、スイッチングタイプとの比較も含めて検討する。
・条件が整えばリニアレギュレータがベストチョイスの場合が少なくない。
リニアレギュレータの長所は何と言っても簡単に使える点です。入力と出力にコンデンサを1個ずつ付けるだけで動作しますので、実質的に設計は不要と言ってもいいかもしれません。どちらかといえば、回路設計より放熱設計の方が面倒かもしれません(熱計算については1-6) 項参照)。また、スイッチング電源のようにスイッチングノイズがなく、リップル除去特性や電圧ノイズ自体も小さいので、ノイズを嫌う、例えばAV、通信、医療、計測アプリケーションでは好まれる傾向があります。
短所は、入出力の電圧差が大きいと損失が大きくなり、損失はほとんどが熱に変わるので、条件によっては非常に発熱が大きいことです。数ワット以上の電力で使いこなすには、常に熱の問題を解決する必要があります。また、リニアレギュレータは降圧しかできません。これは、負電圧用の場合も同じですが、負電圧の場合はよく混同されるので説明します。負電圧用リニアレギュレータは、例えば-5V入力の場合は、さらに低い-12Vを出力することはできません。電位としては-5Vから-12Vに下がっているのですが、電圧は-5Vから-12Vにマイナス方向に増えていますので、マイナス方向に昇圧していることになります。したがって、できるのは-12Vを入力して-5Vを出力する動作になります。
【資料ダウンロード】リニアレギュレータの基礎
リニアレギュレータの基礎として、動作原理、分類、回路構成による特徴、長所・短所を理解するためのハンドブックです。加えて、リニアレギュレータの代表的な仕様(規格値)と、効率と熱計算に関しても解説しています。