DC-DCコンバータ|評価編
損失要因
2018.07.31
この記事のポイント
・動作条件によって全体的な損失を構成する特定の部位での損失が大きくなる。
・損失計算式からその要因を理解することで、仕様や条件変更の際の注意点がわかる。
今回は、動作条件と損失増加の関係について検討します。
損失要因
損失が電源回路の様々な場所で発生することを説明してきましたが、動作条件によって全体的な損失を構成する特定の部位での損失が大きくなります。したがって、動作条件による損失増加の要因を知っておく必要があります。以下に条件と関連する損失要因をまとめました。損失の計算式も示しましたので、より明確に関連が理解できると思います。
負荷電流 の増加にともない大きくなる損失要因
・ハイサイド側のMOSFETのオン抵抗 による伝導損失
・ローサイド側のMOSFETのオン抵抗 による伝導損失
・インダクタ(コイル)のDCR による導通損失
周波数 が高くなると大きくなる損失要因
・ゲートチャージ損失
負荷電流 、周波数の両方に影響を受ける損失要因
・スイッチング損失
・Dead Time損失
これらは、電源回路の仕様変更や条件の変動に関わってくるものです。これらの関係を知っていれば、再検討する際の注意点がわかります。
【資料ダウンロード】降圧DC-DCコンバータ 損失の検討
DC-DCコンバータ
- 基礎編
- 設計編
-
評価編
- スイッチングレギュレータの特性と評価方法の概要
- 電源ICのデータシートの読み方:表紙、ブロック図、絶対最大定格と推奨動作条件
- スイッチングレギュレータの評価:出力電圧
-
損失の検討
- 定義と発熱
- 同期整流降圧コンバータの損失
- 同期整流降圧コンバータの導通損失
- 同期整流降圧コンバータのスイッチング損失
- 同期整流降圧コンバータの制御IC消費電力損失
- 同期整流降圧コンバータのデッドタイム損失
- 同期整流降圧コンバータのゲートチャージ損失
- インダクタのDCRによる導通損失
- 電源ICの電力損失計算例
- 損失の簡易的計算方法
- パッケージ選定時の熱計算例 1
- パッケージ選定時の熱計算例 2
- 損失要因
- スイッチング周波数を高めて小型化を検討するときの注意
- 高入力電圧アプリケーションを検討するときの注意
- 出力電流が大きいアプリケーションを検討するときの注意 その1
- 出力電流が大きいアプリケーションを検討するときの注意 その2
- 損失の検討 ーまとめー
- 応用編
- 製品紹介
- FAQ