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2015.09.08 DC/DC

入力コンデンサの選定

DC/DCコンバータのインダクタとコンデンサの選定

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前回は出力コンデンサの役割と選択のポイントについて説明しました。続いて、入力コンデンサの説明に入ります。出力コンデンサの項でも使った図ですが、理解のためにここでも同じもので最初におさらいをします。

入力コンデンサと出力コンデンサの役割

前回同様、DC/DCコンバータの電流の流れをイメージして、入力および出力コンデンサにどのような性質の電流が流れるのかを復習します。

囲みの中の上のICOが出力コンデンサ、下のICINが入力コンデンサの電流波形です。入力コンデンサは、VINから充電され、トランジスタQ1がオンになるとスイッチ電流IDDとなる電流を放電します。比較的大きな電流が急激に繰り返し流れます。それに対し出力コンデンサは、出力電圧を中心に出力リップル電圧と連動した充放電を繰り返すのが違いであることを覚えておいてください。

入力コンデンサの選定

入力コンデンサの選定における重要な要素は以下の3つになります。

1)定格電圧

2)リップル定格電流およびリップル発熱特性

3)セラミックコンデンサを使う場合:温度特性とDCバイアス特性

また、選択の前提として以下に留意してください。

・定格電圧は最大入力電圧より高い必要がある。

・定格リップル電流は、ICの入力に発生する最大入力リップル電流よりも大きい必要がある。

・降圧コンバータでは、瞬間的な入力電流の最大値は出力電流と同じになる。

入力コンデンサに流れるリップル電流の実効値 ICINは以下の式で表されます。

この結果をもとに、コンデンサのリップル電流の絶対最大定格とリップル発熱特性のグラフから、対応できるコンデンサを選択します。

入力リップル電圧 ΔVINは次式で算出できます。

この式から、入力リップル電圧は、入力コンデンサの容量が大きくなれば小さくなることがわかります。

セラミックコンデンサを入力コンデンサとして選択することが可能です。セラミックコンデンサを使う場合には、一般に温度変化とDCバイアスによる容量の変化に注意が必要です。

温度特性に関しては、CLASS2(高誘電率系)タイプの、EAI記号X5R(-55~+85℃、静電容量変化率 ±15%)やX7R (-55~+125℃、静電容量変化率 ±15%)であれば、十分に安定な温度特性を得ることが可能です。

DCバイアスに関しては、もちろん影響の少ないものを選択しますが、同じ容量、耐圧でもパッケージサイズによって変動特性が異なります。下のグラフはその一例ですが、サイズが大きなものが変動が少ないことを示しています。いずれにしても、コンデンサメーカーから十分な情報を入手してください。

基本的には、これらの情報から入力コンデンサを選択することになりますが、試作評価時には、リップルも加味した入力電圧が耐圧を超えていないか、リップル電流によって許容できないような発熱をしていないかなど、チェックする必要があります。

キーポイント

・選定の重要ポイントは、定格電圧、リップル定格電流、リップル発熱特性、セラミックコンデンサを使う場合は特に温度特性とDCバイアス特性

・出力コンデンサより、高い電圧と大きなリップル電流を許容する必要がある。

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