電源設計の技術情報サイト

技術資料ダウンロード

2015.07.07 DC/DC

インダクタの選定

DC/DCコンバータのインダクタとコンデンサの選定

  • Facebookでシェア
  • Twitterでシェア

降圧型DC/DCコンバータを設計するにあたって、インダクタの選択は重要です。その選択により性能や特性に大きな影響が及びます。インダクタの選択手順やインダクタンスなどの算出方法は、基本的に利用する電源ICのデータシートに示されています。

インダクタの選定手順

最初に、インダクタを選定する際の手順を示します。

1)必要なインダクタンスLを計算する

2)インダクタに流れる最大電流を計算する(出力電流+1/2リップル電流)

3)計算したL値(または近似)で、インダクタ飽和電流が計算した最大電流以上のインダクタを選ぶ
     ※短絡や過渡状態では計算の最大値以上の電流が流れる場合があるので、
        最大スイッチ電流を基に選択する考え方もある

基本的には計算に基づき、マージンを考慮して決めていきます。マージンの取り方は、会社に設計ルールや、経験則に基づきます。

1)インダクタンスの計算
最初にインダクタンスを以下の式に則り計算します。
スイッチングレギュレータ設計でのインダクタのインダクタンスの計算式
2)インダクタの最大電流の計算
次に以下の式に則り、インダクタの最大電流を計算します。
スイッチングレギュレータ設計でのインダクタの最大電流の計算式と、平均出力電流との関係
式と電流波形からわかるように、 ILPEAK はΔIL の1/2をIOUTに加えた値になります。

計算したインダクタンスとインダクタの最大電流から、近似のインダクタンスで、飽和電流が最大電流以上のインダクタを選択します。以下に、選定の例を示します。

インダクタの選定例

   条件:VIN = 12V 、VOUT = 3.3V、IOUT = 2A、r = 0.3、f SW = 380kHz
スイッチングレギュレータ設計でのインダクタの選定例
上記結果から、飽和電流が2.3A以上の10μHのインダクタが出発点となります。出発点というのは、この計算が絶対的なものではなく、短絡や過渡状態を考慮した場合などに変更が必要になる可能性があるからです。

インダクタンスを変化させた時のインダクタ電流

ここで、インダクタの動作の理解を深めるために、インダクタンスが変化した場合にインダクタ電流がどのように変化するかを説明します。以下の図は、同じ動作条件で、インダクタンスを、0.4μH、1μH、2.2μHにした場合のILPEAKを示しています。
スイッチングレギュレータのインダクタのインダクタンスとインダクタ電流の関係と計算式
式からも明らかなのですが、インダクタンス L が小さくすると、ILPEAK が増加し、直流重畳電流を多く取ることができるようになります。しかしながら、ILPEAK の増加により、より多くの直流重畳電流を許容する必要があります。インダクタンスを大きくすると、この逆になりますが、位相補償について検討する必要が出てきます。

キーポイント

・DC/DCコンバータの設計においてインダクタの選定は非常に重要。

・回路動作、電流経路、インダクタと出力電流の関係を理解することが必要。

周辺部品の選定方法とPCBレイアウト