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2019.08.27 AC/DC

トラブルシューティング①:二次側MOSFETがすぐにOFFしてしまう場合

AC/DCコンバータの効率を向上する二次側同期整流回路の設計

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前回までで、必要な部品選定と定数計算が終わりました。次にステップとしては、選定した部品を基板実装し、諸特性を確認して設計仕様に合致しているかを確認する作業に入ることになります。ここからは、諸特性の確認において想定されるいくつかのトラブルとその対策について説明していきます。

「AC/DCコンバータの効率を向上する二次側同期整流回路の設計」では、絶縁型PWMフライバック型AC/DCコンバータ回路の二次側を同期整流化することで、既存の電源仕様を維持しつつ効率向上を図ることを目的としています。今回は新規設計ではなく、一次側をそのままに二次側をBM1R00147FというコントローラICを使った回路で置き換える、ある意味部分変更的な設計です。したがって、AC/DCコンバータとして回路全体が正しく動作することを検証することは非常に重要になります。

トラブル①:二次側MOSFETがすぐにOFF してしまう場合

電源ICのDRAIN端子電圧に発生するノイズにより、二次側MOSFETがOFFしてしまう誤動作が発生する場合があります。下図のVGS2は、ノイズによって本来ONしているべき時間(破線の波形)より短い時間でOFFしてしまう動作を示しています。

AC/DCコンバータの同期整流化のトラブルシューティング。二次側MOSFET 即OFF動作波形

対策①-1:フェライトビーズB1を挿入、DRAIN端子接続抵抗R1を大きくする

トラブル①の対策、「対策①-1」*は、サージ吸収用フェライトビーズB1を挿入、またフィルタ用抵抗R1の値を大きくすることで、ノイズによる誤動作を防ぐ方法です。フェライトビーズB1は低周波領域で高インピーダンスになるタイプ、例えばTDK製MPZ1608S102ATなどが効果的です。左下図に、ビーズの挿入位置、調整該当のR1および参考値を示します。右下図は対策後の動作波形です。(*トラブル①に対する対策という意味で「対策①-1」という番号を使用)

AC/DCコンバータの同期整流化のトラブルシューティング。対策:フェライトビーズB1挿入、R1抵抗値の調整/AC/DCコンバータの同期整流化のトラブルシューティング。対策実施後動作波形

注意事項

B1、R1のインピーダンスを大きくしすぎた場合、軽負荷時に二次側MOSFETが共振動作によりONしてしまうことがあります。そのため軽負荷時での動作確認が必要になります。この現象の詳細と対策については次回説明します。

キーポイント

・従来の絶縁型フライバックコンバータの二次側の置き換えなので、実際の動作確認は非常に重要。

・ノイズによる二次側MOSFETの誤動作が発生する場合には、DRAIN端子のラインにフェライトビーズの追加、フィルタ用抵抗の抵抗値を大きくする方法がある。

PWM方式フライバックコンバータ設計手法