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AC/DCコンバータの効率を向上する二次側同期整流回路の設計

シャントレギュレータ回路部:周辺回路部品の選定

前回までは、使用する電源IC、BM1R00147Fの同期整流回路部の周辺部品について説明してきました。今回は、「シャントレギュレータ回路部の周辺部品」に関する説明になります。

少し同期整流回路部の話が続いたので、BM1R00147Fの構成ブロックを再度確認したい場合はこちらを参照してください。

シャントレギュレータ回路部の周辺部品

右の図は、BM1R00147Fの内部シャントレギュレータ部の回路図と必要な周辺部品を示しています。

最初に、出力電圧VOUTを設定する抵抗RFB1とRFB2を算出します。内蔵シャントレギュレータはCMOS構成のため、内部オペアンプの動作のための入力(SH_IN)バイアス電流を確保する必要はありません。したがって、RFB1とRFB2は高い抵抗値で構成することが可能で、抵抗RFB1とRFB2に流れるIFBを最低限に設定することで待機時電力を減少することができます。

AC/DCコンバータの同期整流化。BM1R00147Fの内部シャントレギュレータ部の回路図と必要な周辺部品

あまりインピーダンスを高くするとノイズに敏感になるなど不安定になる可能性があるので、動作の安定を考慮してIFB=10µA程度になるようRFB1とRFB2の選定をします。VOUTは、内蔵シャントレギュレータの基準電圧VREF=0.8V(Typ)をともなって、次式で決まります。

この設計事例ではVOUTは5Vなので、RFB1、RFB2は以下の式から求めることができます。

VOU=5VでIFB=10µAにするため、RFB1とRFB2の合計を500kΩとし、分圧点(SH_IN)の電圧が0.8VになるようにRFB1とRFB2の比率を求めればよいことがわかります。

次に、CFB1とCFB2を決定します。CFB1は位相補償用のコンデンサで、1000pF程度を選定します。CFB2はSH_IN端子ノイズ除去用のコンデンサです。100~470pF程度が目安です。この設計事例では220pFとします。

フォトカプラPC1にバイアスを与える抵抗RSH1によって、出力負荷応答を調整することが可能です。RSH1を小さくすることで出力負荷応答が速くなり、出力電圧の負荷変動を抑えることができます。しかしながら、負荷応答の高速化と安定性はトレードオフの関係にあるので、十分な検証が必要です。この設計事例では510Ωとします。

抵抗RSH2は、内蔵シャントレギュレータの回路電流を設定します。SH_IN=Low時、SH_OUT端子電流の最大値ISH_OUT_maxは75µAです。したがって、フォトカプラPC1のVf最小値Vf_minとRSH2の関係は以下の式を満たす必要があります。

フォトカプラPC1のVf_min=1.1Vとした場合、次式からRSH2は14.7kΩ以下と算出されます。

この設計事例では、マージンを考慮して12kΩを選択します。

シャントレギュレータ回路部の周辺部品の選定は以上となります。

キーポイント

・BM1R00147Fのシャントレギュレータ回路部の周辺部品の設定により、出力電圧を設定する。


PWM方式フライバックコンバータ設計手法