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AC/DC

AC/DCコンバータの効率を向上する二次側同期整流回路の設計

同期整流回路部:同期整流用MOSFETの選定

前回確認した「電源仕様と置き換え回路例」を念頭に、具体的な回路設計に入ります。元の回路の二次側はダイオード整流回路でこれを同期整流化するための手順として、1)整流ダイオードの置き換え用MOSFETを選定し、2)諸条件を確認して設定を決めて、3)設計に使うICであるBM1R001xxFシリーズの中から最適なICを決定します。今回はまずダイオードを置き換えるMOSFETの選定を行います。

同期整流回路部:二次側整流ダイオードから置き換える同期整流用MOSFETの選定

二次側整流ダイオードDOUT置き換える同期整流用MOSFET M2を選定します。置き換えを行うために既存回路における電流や電圧、波形などを確認して、対応できる仕様のMOSFETを選択します。最初に、整流ダイオードDOUTに発生する逆方向電圧VRと順方向電流IFの確認を行います。右図を参照してください。

ダイオード整流式AC/DCコンバータのDOUTのVRとIF/ダイオード整流式AC/DCコンバータのDOUTのVRとIFの測定波形

測定した整流ダイオード逆方向電圧VRと順方向電流IFを目安にして、置き換えるMOSFETの最大ドレインソース間電圧VDS、ドレイン電流IDを決めます。

また、MOSFETの選定の際にはRon(オン抵抗)による損失、パッケージの最大許容損失PDなどの考慮も必要です。MOSFET M2のRonが高すぎる場合、MOSFETが異常発熱する恐れがあります。設計時に十分な考慮をした上で、製品に組み込んだ状態で確認を行い、必要に応じてヒートシンク等による放熱を行います。

上記波形観測結果から、MOSFET M2は以下を選定例とします。VR、IFのピークに対して十分なマージンを持つものです。

<MOSFET M2の選択例>
VDS=60V (VR_PEAK=40Vから)
ID=50A (IF_PEAK=26Aから)
他特性:Ron=4mΩ、PD=120W

注意事項として、電源ICのBM1R001xxFシリーズのDRAIN端子の絶対最大定格は120V(Ta=25℃)になっています。ICのDRAIN端子に印加される電圧が、絶対最大定格を超えないことを確認する必要があります。もし、絶対最大定格を超える電圧がDRAIN端子に印加される場合は、「フライバックアプリケーションでのトラブルシューティング」、「サージの影響を受けVDS2が二次側MOSFETのVDS耐圧以上になる場合」の対応策を後述する予定です。

キーポイント

・この設計例では、ダイオード整流のAC/DCコンバータを同期整流に置き換える。

・同期整流化設計のはじめに、出力整流ダイオードを置き換えるMOSFETを選定する。

・代替部品の仕様決定のために、既存回路での電流、電圧、波形などを確認する。


PWM方式フライバックコンバータ設計手法