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2019.05.28 AC/DC

電源仕様と置き換え回路

AC/DCコンバータの効率を向上する二次側同期整流回路の設計

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前回は設計に使うICであるBM1R001xxFシリーズの概要を確認しましたので、今回から具体的な設計に入っていきます。

再確認になりますが、この設計の目的は二次側同期整流コントローラICのBM1R001xxFシリーズを使って、ダイオード整流のAC/DCコンバータを同期整流化することです。したがって、最初にダイオード整流AC/DCコンバータの回路と仕様があって、その仕様を継承して同期整流化する前提で進めます。

電源仕様と置き換え回路例

この例では、以下のAC/DCコンバータの二次側ダイオード整流回路を構成している整流ダイオードとシャントレギュレータ部をBM1R001xxFシリーズで置き換えます。

<AC/DCコンバータ電源仕様>

  • ・入力電圧(VIN): 400Vdc
  • ・出力電圧(VOUT): 5V
  • ・出力電流(IOUT): 10A
  • ・電源方式: 絶縁型PWM方式フライバックコンバータ
  • ・スイッチング周波数: 130kHz

このAC/DCコンバータの回路図を以下に示します。

ダイオード整流式AC/DCコンバータの回路例

橙色で囲まれたエリアにある、DOUTが整流ダイオード、U1および抵抗がシャントレギュレータ部で、今回の置き換え対象部分となります。ちなみに、PC1はオプトカプラ(フォトカプラ)で、出力電圧を絶縁して一次側に帰還するための絶縁素子ですので、この置き換えの対象ではなくBM1R001xxFシリーズで置き換えた回路でも必要になります。

次に、置き換え回路を示します。各、色網掛けエリアが置き換えた回路になります。

ダイオード整流式AC/DCコンバータをハイサイドタイプ同期整流に置き換えた回路例/ダイオード整流式AC/DCコンバータをローサイドタイプ同期整流に置き換えたの回路例

置き換えには2つの方法があります。左はトランスのローサイド(GNDライン)にスイッチ(MOSFET)を配置するローサイドタイプで、右はトランスのハイサイド(VOUTライン)にスイッチ(MOSFET)を配置するハイサイドタイプです。解説は両方について行い、最終的には両方の回路で設計を完了して評価を行います。

上記回路では、整流ダイオードがMOSFETに、シャントレギュレータがIC内蔵のシャントレギュレータに置き換わるわけですが、正直なところ若干ですが外付け部品が増えます。よって、一般の次側同期整流ICでは、ICの回路電流分待機電力が必ず悪化します。しかし、本ICではICの増加分を低消費化したシャントレギュレータを内蔵することで待機電力を悪化させずに効率を大きく改善させることができると共に、シャントレギュレータ分の部品削減も実現できる仕様となっています。

キーポイント

・この設計例では、ダイオード整流のAC/DCコンバータを同期整流に置き換える。

・同期整流化には、ローサイドタイプとハイサイドタイプがある。

・外付け部品は若干増えるが、効率改善、特に待機時の高効率化はAC/DCコンバータの課題なので、同期整流化は有用である。

PWM方式フライバックコンバータ設計手法