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AC/DC

AC/DCコンバータの効率を向上する二次側同期整流回路の設計

設計に使うIC

ここでは、二次側同期整流コントローラICのBM1R001xxFシリーズを使って、ダイオード整流のAC/DCコンバータを同期整流化する設計例の解説をしていきます。今回は設計に使うICであるBM1R001xxFシリーズの概要を確認しておきます。

設計に使うIC:BM1R001xxFシリーズ

BM1R001xxFシリーズは、基本的にAC/DCコンバータの二次側出力段を同期整流化するための同期整流コントローラICです。BM1R00146F~BM1R00150の5機種で構成されており、DRAIN端子に発生する共振波形で二次側MOSFETのゲートオンを防止するためのマスク時間である「強制OFF時間(Compulsion OFF Time)」が異なります。詳細はICの選択の項で説明しますが、同期整流化する回路の条件に基づいて対応する強制OFF時間を選択する必要があり、そのためのバリエーションです。パッケージはSOP8で、小型でシンプルです。

BM1R001xxFシリーズのラインアップ、強制OFF時間(Compulsion OFF Time)が異なる/BM1R001xxFシリーズのピンアウト/BM1R001xxFシリーズのパッケージおよびサイズ

主要な内部機能ブロックは、シャントレギュレータ部と同期整流コントローラ部になります。シャントレギュレータは低消費電流で高精度を特長としており、制御回路電流の低減により待機時電力の削減が可能です。同期整流コントローラは、不連続~臨界~連続モードのすべてに対応し、PWM方式のコンバータにも適用可能です。また、連続モード動作時には、一次側のスイッチング同期信号入力なしで動作可能で、部品点数とスペースの削減が可能です。

BM1R001xxFシリーズの機能フロック図

また、シャントレギュレータと同期整流コントローラは別々のチップで構成されています。シャントレギュレータが独立していることで、ハイサイドスイッチとローサイドスイッチのどちらにも対応します。他に、同期整流コントローラのみを使用するなど、様々なアプリケーションに対応することが可能です。

動作電源電圧は2.7V~32Vと幅広く、様々な出力のアプリケーションに対応可能です。また、高耐圧120Vプロセス採用により、ドレイン電圧を直接モニタすることが可能です。

主な特長、仕様、アプリケーションをまとめました。

主な特長 主な仕様
  • ・低消費シャントレギュレータ内蔵により待機時消費電力を削減
  • ・同期整流スイッチ配置:ハイサイド、ローサイドの両方に対応
  • ・高耐圧プロセス:ドレイン端子耐圧120V
  • ・幅広い入力動作電圧範囲:2.7V~32V
  • ・PWM、疑似共振など様々な駆動方式に対応
  • ・連続モード時、一次側信号入力不要
  • ・SH_IN、SH_OUT、端子過電圧保護(OVP)内蔵
  • ・過熱保護(TSD)内蔵
  • ・自動シャットダウン機能内蔵
  • ・フロー対応SOP8パッケージ
  • ・入力電圧範囲:2.7V~32V
  • ・動作回路電流(SW停止時):800µA (Typ)
  • ・自動シャットダウン時回路電流:120µA (Typ)
  • ・ドレインモニタ端子耐圧:120V
  • ・動作温度範囲:-40℃~+105℃
アプリケーション
  • ・ACDCコンバータ全般
  • ・チャージャー/アダプタ
  • ・TV

設計手順に示したように、同期整流化する回路仕様から、BM1R001xxFシリーズのなかから適した機種を選定し設計を進めていきます。

キーポイント

・BM1R001xxFシリーズは強制OFF時間の違う5機種で構成されている。

・パッケージはSOP8で、小型でシンプル。

・シャントレギュレータは低消費電流で高精度で、制御回路電流の低減により待機時電力の削減が可能。

・同期整流コントローラは不連続~臨界~連続モードのすべてに対応し、PWM方式のコンバータにも適用可能。


PWM方式フライバックコンバータ設計手法