電源設計の技術情報サイト

技術資料ダウンロード

AC/DC

SiC-MOSFETを使った絶縁型擬似共振コンバータの設計事例

主要部品選定:MOSFETゲートドライブ調整回路

今回は、電源IC BD7682FJの外付けMOSFETのスイッチングを調整する部品と調整方法についてです。

MOSFETゲートドライブ調整回路:R16、R17、R18、D17

外付けMOSFET Q1のスイッチング動作を最適化するために、BD7682FJのOUTピンからのゲートドライブ信号を調整する回路をR16、R17、R18、D17で構成します(回路図参照)。この回路は、MOSFETの損失とノイズに影響を与えるので、MOSFETのスイッチング波形と損失を確認しながら最適化する必要があります。

スイッチオン時のスピードは、ゲートドライブ信号ラインに直列に挿入するR16とR17によって調整します。

スイッチオフ時のスピードは、電荷を引き抜くためのダイオードD17とR16の組み合わせで調整します。

各抵抗値を小さくすることで、スイッチング(立ち上がり/立ち下がり時間)は速くなります。

今回の回路例では、R16=10Ω/0.25W、R17=150Ω、D17=ショットキーバリアダイオードRB160L-60(60V/1A)とします。

擬似共振コンバータのスイッチング損失は、基本的にはスイッチオン時は発生せず、スイッチオフ時の損失が支配的となります。

A5_12_graf01

スイッチオフ時のスイッチング損失を低減するためには、R16を小さくしてスイッチオフのスピードを速くします。しかしながら、急峻な電流変化が生じることになり、スイッチングノイズが大きくなります。

スイッチング損失とノイズは、トレードオフの関係になります。したがって、製品に組み込んだ状態にてMOSFETの温度上昇(=損失)とノイズ測定を行い、温度上昇とノイズレベルが許容範囲であるかを確認します。必要に応じて、上記の定数をスタートラインとして調整を行ってください。

また、R16にはパルス電流が流れますので、使用する抵抗の耐パルス性を確認する必要があります。

R18は、MOSFETのゲートをプルダウンする抵抗になります。10kΩ~100kΩを目安にしてください。

キーポイント

・ゲートドライブ信号を調整して、スイッチングトランジスタの損失とノイズを最適化する。

・スイッチングの立ち上がり/立ち下がり時間を速くすると損失は減るが、スイッチングノイズが大きくなる。


PWM方式フライバックコンバータ設計手法