電源設計の技術情報サイト

技術資料ダウンロード

AC/DC

非絶縁型バックコンバータの設計事例

主要部品の選択:出力コンデンサ C5

出力コンデンサは、インダクタをともない出力電圧を平滑化するLCフィルタの役目と、負荷電流を供給する役目をもっています。また、出力リップル電圧の大きさは、コンデンサのインピーダンスに大きく依存します。

出力コンデンサ C5

右の回路図は出力周辺の切り抜きです。出力コンデンサC5は出力からGNDに接続されています。インダクタをともなってLCフィルタを形成しているのは見ての通りです。

ICに内蔵されているMOSFETがオンの時は、出力ダイオードD4はオフで、出力コンデンサは充電されるとともに負荷電流を供給します。

MOSFETがオフの時は出力ダイオードはオンになり、この時は出力コンデンサが負荷電流を供給します。

A4_7_ckt

出力コンデンサの定数算出

出力コンデンサは、出力のピークリップル電圧(ΔVpp)が、設計目標とした出力リップル電圧以内になるように選択します。出力リップル電圧は、ピークインダクタ電流の実効値であるリップル電流と、コンデンサのインピーダンスにより決まります。したがって、目標とするリップル電圧を起点に計算して行きます。C5のインピーダンスZは以下の式から計算できます。

ΔVpp=100mVとすると: A4_7_fom1

求められたZは、この回路の最小スイッチング周波数である60kHz時の値です。一般的なスイッチング電源用電解コンデンサ(低インピーダンス品)のインピーダンス規定条件は100kHzです。コンデンサのインピーダンスは、共振点まで周波数に対してほぼ直線的に低下するので、以下の式により100kHz時のZを求めることができます。

    A4_7_fom2

次に、リップル電流 Is(rms) を求めます。

    A4_7_fom3

これで、コンデンサのインピーダンスとリップル電流が求まりました。

続いて、耐圧は経験則から出力電圧の2倍程度を目安にするのが一般的です。

    VOUT×2 = 20V×2 = 40V → 35V以上とする

インピーダンスが0.08Ω以下、リップル電流定格が0.4A以上、耐圧35V以上を満たす電解コンデンサを選定することになります。この回路では、スイッチング電源用の低インピーダンスタイプで、35V耐圧、 470µFの電解コンデンサを選択しました。

出力コンデンサに限りませんが、実際のリップル電圧、リップル電流は必ず実機で確認してください。

また、電解コンデンサは寿命がある部品で、リップル電流を多く流すと寿命が短くなります。寿命に関しては、コンデンサメーカーから算出方法や規定が提示されていますので、使用するコンデンサメーカーに確認してください。

キーポイント

・出力コンデンサは、設計目標の出力リップル電圧を満足するように、リップル電流とコンデンサのインピー
   ダンスから選択する。

・アルミ電解コンデンサは寿命のある部品で、リップル電流が大きいと寿命が短くなる。


非絶縁型バックコンバータの設計事例