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2016.07.12 AC/DC

主要部品の選択:インダクタ L1

非絶縁型バックコンバータの設計事例

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「主要部品の選択」の2回目は、スイッチング電源では重要な役目をもつインダクタの選択方法について説明します。

インダクタ:L1

インダクタL1は、右の回路図が示す通り、出力コンデンサC5と共にLCフィルタを構成します。L1のインダクタンスは、動作モードが不連続モードになるように設定します。連続モードで動作させると、ダイオードの逆回復時間、trrの間に流れる逆電流によってダイオードの損失が増加し、さらにこの逆電流がMOSFETオン時のピーク電流にもなるため、MOSFETの損失も増加します。これを避けるために不連続モードを選択します。詳細は「バックコンバータの基本動作および不連続モードと連続モード」の項を参照してください。

A4_5_L1.gif

インダクタンスの算出

最初にインダクタンスを算出します。VINを101Vとします。90VACを想定しピーク電圧として1.41倍し、2割マージンを取ります。

   VIN = 90VAC×1.41×0.8 = 101V とすると:

Iomaxは2割ほどマージンを取って、Iomax = 0.2A×1.2 = 0.24A とします。

臨界点(ピーク) Ip = Iomax×2 = 0.48A とすると:

この計算結果から標準値の470µHを選択します。

インダクタ電流の算出

続いてインダクタ電流を計算して、インダクタの許容電流を決めます。

インダクタ電流は、入力電圧が最大の時に最大になります。最大入力電圧は264VACで、この時、電源ICがスイッチ(MOSFET)をオンにしている時間は、ICの最小オン時間になります。この最小オン時間は、出力電圧やインダクタのインダクタンスなどの条件によって0.6~1.5µsくらいになります。

   最大入力電圧264VAC時の最小オン時間を1µsとすると:

したがって、選択すべきインダクタは、インダクタンス470µH、インダクタ電流0.8A以上のものなります。注意点は、インダクタ電流を必ず実機で確認して、インダクタが飽和していないことを確認することです。

キーポイント

・インダクタは、動作モードが不連続モードになるように設定する。

・インダクタンスは、VINの最小条件とtonの最大値から求める。

・インダクタ電流は、VINの最大条件と最小オン時間から求める。

非絶縁型バックコンバータの設計事例